過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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◆6U1bthnhy6
[sage]
2012/08/06(月) 13:22:51.91 ID:NDPdLiODO
『これは?』
『ディスティニーレコード・・・平たく言えば運命の記述。これから私たちが、ここここ恋人としてやらなければいけないことが書かれているわ』
『へえ・・・つまりこの夏休みで、俺たちがやることってことだな?』
『え、ええ・・・そうよ・・・』
・・・まったく身も蓋もないんだから。
思い出して一人苦笑する。
あれから約半月。
私たちは様々なイベントをこなしてきた。
『先輩とデートする』
『先輩に私のことを知ってもらう』
『先輩を私の家に呼ぶ』
『先輩の部屋に遊びに行く』
そのすべて私には宝物のように楽しい日々だった。
あなたが私に気を使ってくれた。
あなたがバイト帰りに一緒に帰ろうと言ってくれた。
あなたが私の家族と仲良くなってくれた。
あなたが私のゲームをプレイしてくれた。
あなたが。あなたが。
・・・そしうて今日、新たな運命の記述が発動する。
『先輩と花火を見る』
この記述を見る度・・・私の心に寂寥とした想いが広がる。
・・・本来ならば楽しいはずのイベントなのにね。
知らず、私は傍らの愛しい人を見上げたいた。
京介は私の視線に気づかず、夜空に浮かぶ大輪の花に夢中になっていた。
思わず笑みが漏れる。
子供のような人・・・。
誰に対しても真剣で、まじめで、困っていたら思わず助けに入ってしまうおせっかい。
その実、純粋で、繊細で・・・傷つきやすい人。
・・・ごめんなさい。
私は今日・・・あなたにひどいことをします。
ほんの僅かに頬を伝った滴を強引に擦りとる。
泣いてはいけない。
否。
泣くことなど許されない。
これは私のわがままなのだから。
私が望むべき未来に向かって進むために、私の為にするエゴなのだから。
だから・・・ごめんなさい、京介・・・。
「・・・ねえ」
「ん?」
「この夏・・・私と過ごしてどうだった?」
それでも・・・聞かずにいられなかった。
この後、どれほどのひどいことをしようとしてても。
そうしてあなたは・・・私をみつめたまま、満面の笑みで言ってくれた。
「楽しかったよ。・・・お前と過ごしたこの夏は、きっと一生忘れない」
・・・嬉しかった。
涙が零れそうになるのを堪えるので必死だった。
・・・ありがとう、京介。
そうあなたが言ってくれたことで、私の想いは報われた。
もしこの後・・・次の運命の記述を見せることであなたに嫌われたとしても、私はあなたを想いながら生きていける。
・・・ただ唯一の心残りがあるとしたら・・・。
「桐乃」
「ん?」
「先輩の腕からはなれて頂戴」
「え?やだ」
・・・二人きりで一度もデートできなかったことだろうか・・・。
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