過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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279: ◆6U1bthnhy6[sage]
2012/08/09(木) 13:58:17.61 ID:L6pxaohDO

「いやー・・・しっかし疲れたなー・・・」

走り出した車内。
思わず呟いた一言に重なる声一つ。

「そりゃあんだけチャリで全力疾走すればねー」
「ンだよ?」
「あったしだったらできないなー」

あー恥ずかしかったー。
そう言外に桐乃が含ませた声を出すと、反対側の席にいた京介がむっと眉を潜ませる。

「・・・なんだよその言い方?言いたいことがあるならはっきり言え」
「べっつにー?それとも何か心当たりでもあるのー?」

お互い触れ合わないように、限界まで左右に離れた後部座席。
窓の外を見ながらの、殊更小バカにしたような声音に、京介のこめかみがピクピクと震える。

「ぐ・・・てめえって奴はよ・・・」
「なによ?」
「・・・たく。なんでもねーよ」

挑発的な桐乃に対し、応戦しようと身構えた京介だったが、急にフッと体の力を抜くと、座席にドサッとその身を預けてしまった。

「・・・急にどうしたのよ?」

不意に毒気の抜けた京介の声音に、桐乃は見るとはなしに見ていた窓の外から京介に視線を移す。
視線の先、京介はぐったりと座席に身を預けたままぽつりと呟いた。

「・・・折角ライブ楽しんできたんだ。今日ぐらいは喧嘩やめとこうぜ・・・」

言われて桐乃もハッとする。
困ったような表情を浮かべると、二・三度視線を彷徨わせながら、結局京介と同じように座席に身をうずめた。
それからどれくらい経ったろうか。
桐乃がポツリと呟いた。

「・・・ごめん」
「・・・いいよ」

そしてまた沈黙が落ちる。


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