過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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◆6U1bthnhy6
[sage]
2012/08/09(木) 14:01:30.10 ID:L6pxaohDO
「・・・な」
「・・・」
至近距離で見た桐乃の顔。
京介は言葉もなくそれに見入っていた。
真っ赤なリンゴのように赤い顔は、決して街灯の光ではない桐乃自前の色。
その大きな目には、今にも零れ落ちそうな涙。
恥ずかしいのか、その小さな唇はグロスの色も鮮やかにフルフルと震えたいる。
「・・・離して」
「あ・・・ああ」
どれほどの時みつめ合っていたのだろうか?
桐乃の言葉にようやく京介が我に返る。
それからまた暫く沈黙が支配する車内。
それを破ったのは、
「・・・あんたが・・・」
「え?」
またしても前進しか知らない姫君。
「あんたが・・・か、可愛いよな・・・とか言うから・・・」
「え、え!?・・・あっ!?あああれはそんない、意味で言ったんじゃないぞ!?」
「わかってる!」
桐乃が俯いたまま叫ぶ。
「で、でも・・・勘違いは分かってても、い、意識しちゃった顔は・・・すぐには戻らなくて・・・」
察しろバカっ!
そう言われて、京介はますます縮こまって。
「す、すまん・・・」
「謝んな・・・バカ」
真っ赤な顔の兄貴。
真っ赤な顔の妹。
しかしてその彼我の距離は、以前とは違ったもので。
「あの・・・な?」
「?・・・なに?」
「・・・今日のお前・・・スゲー可愛い」
「なっ!?」
驚いてあげた赤い顔は、はたして羞恥か恥じらいか?
「マジで。・・・お姫様みたいだ」
「・・・フ、フン!バカじゃん?」
「わりぃ・・・」
「あ、謝んないでよ!そ、その・・・アリガト」
「お、おう」
不器用な二人の、不器用ながらのやり取り。
そしてそこに飛び込む声一つ。
「・・・お二人さん」
「「は、ほい!?」」
「・・・この近くに、お若いお二人が休めるところがありますが・・・行き先変更なさいますか?」
ブッ!っと噴き出す桐乃と京介。
お互い目を見合せて、そのまま火のように顔を真っ赤にさせる。
「「こっ!!ここここのままでお願いしますっ!!」」
「かしこまりました」
くつくつと聞こえる運転手の笑い声に、二人は殊更距離をあけ窓の外に目を向ける。
狭い後部座席の右と左。
お互いが触れ合わないように。
・・・お互いの赤い顔を見ないように。
でも。
「・・・散々ね」
「・・・散々だな」
繋いだ手は決して離さないようにしながら―――――。
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