過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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334: ◆YHxtVKAHbw[sage saga]
2012/08/12(日) 17:50:16.89 ID:yJcfa9O4o
 翌日の放課後、俺は帰宅の途についていた。

「きょうちゃん? なんか変な顔になってるけどどうしたの?」

 俺の顔を見ながら話し掛けてきた眼鏡の女は幼馴染の田村麻奈実。

 失礼なやつだな。どうせ俺は変な顔だよ。

「ここんとこ妙に機嫌良さそうだけど、今日はそれと眠そうな顔が一緒になったような感じ、かな?」

 心当たりは──あった。
 俺自身顔に出してた自覚は無いが、桐乃と数年ぶりの会話をかわして以降の俺の気は上向き加減。
 それに加えて夕べは慣れないパソコン操作で寝不足気味だ。

「まあ、いい事と難しい宿題とが同時にやってきたって感じかな」
「いい事?」
「ずっと話もしてなかった妹と久し振りに兄妹の会話ってやつが出来るようになった」
「へぇ〜、そうなんだぁ」

 ゆるゆるな笑みを浮かべる麻奈実。

「それで、難しい宿題って?」
「妹はパソコンが趣味らしくてな」

 オタク趣味については伏せておこう。

「やっぱり兄貴としてはどんな趣味なのか気になるじゃん? だからいろいろ教わってるんだけど、俺の頭じゃなかなか理解できなくてな」

 特にアニメのこととかエロゲーのこととか。

「優しいね、きょうちゃんは」
「そんなんじゃねぇよ」

 そんな会話をかわしているうちに、我が家のそばの丁字路まできてしまった。

 が、そこでタイミングよく下校中の桐乃と遭遇した。

 俺はとっさに足を止める。

 桐乃はクラスメートらしい同じ制服の女子たちとお喋りしながら歩いている。

「あ」

 ふいに横を向いた桐乃と目が合った。

 面白いように顔が満面の笑顔に変化し、今まさに「おにいちゃん」と言おうとしているかのように口が開きかける。

 ところが、そこでハッとした表情になり、顔を逸らした。

「桐乃、どうしたの?」

 黒髪ロングの女の子(超美少女)が桐乃に話し掛けているのが聞こえた。

「う、ううん。なんでもないよ」

 作り笑いっぽい笑みを浮かべて答える桐乃。

 そして、桐乃とその一行は目の前を通り過ぎていった。

 さすがに桐乃も自重したか。
 友達の前で「おにいちゃん」なんて言おうものならからかわれるだろうからな。


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