過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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338: ◆YHxtVKAHbw[sage saga]
2012/08/12(日) 17:52:08.55 ID:yJcfa9O4o
「このコミュニティの管理人さんからメッセージが来たの」

 大当たりだ。
 あのあとすぐにSNSに登録し、『オタクっ娘あつまれー』の管理人にコミュニティ参加希望の旨を伝えたらしい。

「ところで桐乃……?」
「なに?」
「……この……名前欄の『きりりん@このサイトは大好きな人に教えてもらいましたさん』ってなんだ?」
「あたしのハンドルネーム。かわいいでしょ?」

 いや、『きりりん』って名前が可愛いとしても、『@』の後の文字が意味不明なんだが。

「だっておにいちゃんって書いたらブラコン妹って思われちゃうでしょ?」
「そっか、そうだよなー……」

 ……って、そういう問題じゃないだろ?
 そもそも、わざわざ人から教えてもらったって事をハンドルネームで記す必要あるか?
 登録の際の「このサイトはどうやって知りましたか?」の欄に記入するべき文章だろ?

「ちなみに、登録の時のアンケートにはちゃんと『大好きなお兄ちゃん』って書いたからね?」

 ……なにが「ちゃんと」だろう。
 まあいい、もうおにいちゃんは突っ込み入れるの疲れたよ。

 そういえば雑誌のプロフィールでも兄貴好きを表明したな、こいつは。
 親父なんかはそれを額面通りに受け止めていたし、俺もその場のノリに流されてた。

 だけど、男の存在を匂わすことでストーカーとかに対する牽制ではないかという考えもあった。
 だったら「お兄ちゃん」じゃなく「彼氏」にすべきだろうという意見もあるだろう。
 確かに高校生以上だったら「彼氏」でいい。
 しかし桐乃はまだ中学生だ。
 そりゃあイマドキの中学生は進んでるから彼氏とかがいても不思議ではないし、ストーカー対策にはもっとも効果的だ。
 しかし、今度は親父が「彼氏とはどこのどいつだ?」と騒ぎ出すのが目に見えてる。
 そこで俺に白羽の矢が立った、ただそれだけの事ではないのか。
 あの雑誌のプロフィールを見た時、俺も桐乃と仲良くしたいみたいなことを親父に言いつつも、頭の片隅で「お兄ちゃん」は消去法で選ばれただけではないかとも考えていたワケだ。


「……で、管理人さんからのメッセージは?」
「あ、これだよ」


『はじめまして、きりりん様。「オタクっ娘あつまれー」コミュニティの管理人を務めております、“沙織”と申します。(中略)近日開催を予定しておりますお茶会にもご参加くださいませ。(中略)それでは、今後ともよろしくお願いいたします』


「沙織さん……ね。そっか。コミュニティ参加希望は承認されたってことだな」

 文面から感じる沙織さんの印象は清楚なお嬢様という感じだ。
 なるほど、桐乃のような垢抜けたティーン誌モデルもいれば深窓の令嬢もいる。
 オタクってテレビなんかでよく見る「いかにもオタク」って感じの人ばかりじゃないんだな。
 まあ、こういう趣味を持っているってだけで基本は普通の人だと思うし。

「それで、オフ会、このコミュニティだとお茶会か。参加するの?」
「それ……なんだけど……」

 急に歯切れが悪くなる桐乃。

「どうした?」
「あの……ごめん……。こういうのに参加するの初めてだから……心細いから……おにいちゃんと一緒でもいいですかって……返信しちゃった……」

 お〜〜い! せめて事前に相談してからにしてくれ〜〜!

「……ほんとにごめんなさい……」

 しかし、心細いというのは分かるような気がするからあまり強く文句は言えないな。

「まあ、俺もそっとついて行こうとは思ってたんだけどな」

 これはその場しのぎの嘘ではなく、最初から思っていたことだ。
 女だけのコミュニティだから表立って参加する事は出来ないけど、影から見守ろうと思っていたのだ。
 やっぱり見ず知らずの相手っていうのは不安になるものだし、万一変な人だった場合は桐乃を腰に抱えて遁走するくらいの事も想定しないといけない。
 俺自身のオタクを知るための勉強というのもあるしな。

 だけど、ブラコンと思われないためにハンドルネームに「大好きな人」とあるのに、ここで「おにいちゃん」と同伴したいというのはどうなんだ?
 いや、俺のことを管理人“沙織”さんに「彼氏」と紹介して欲しいという気は全く無いけど。
 第一、女だけのオフ会だ。
 桐乃の申し出は兄だろうと彼だろうと却下されるのが関の山ではないか。


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