過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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340: ◆YHxtVKAHbw[sage saga]
2012/08/12(日) 17:53:02.37 ID:yJcfa9O4o
 そしてお茶会当日。

「おーい、桐乃ー。早くしろー」

 既に靴を履いた俺は、階段に向かって呼びかけた。

「ちょっと待って、今行くー」

 なんで女ってのは外出する準備に時間がかかるのかね。

 外に出て門扉のところで手持ち無沙汰で待つ事数分。
 やっと桐乃が出てきた。

「待たせてごめん」

 バツ悪そうにペコリと頭を下げる桐乃。

「じゃあ、行くか」
「うんっ」

 桐乃はタタタッと駆け寄り、俺の腕を取って絡めてきた。

「え? あ、おい」
「なに?」
「なんで当たり前のように腕を組むんだ?」
「いいじゃん。兄妹なんだし」

 いや、兄妹だからこそ問題だと思うのだが。

「もしこんなところ学校の友達に見られたらどうするんだ?」
「だいじょうぶ。友達は雑誌であたしがなんて言ってるか知ってるから」

『休日は大好きなお兄ちゃんと買物して過ごしてます♪』ってやつか?

「でも、ただ一緒に歩いてるだけでなく腕まで組んでるんだ、完璧にブラコン妹と思われるぞ?」

 だからこそSNSのハンドルネームは『大好きな人』にしてるんじゃなかったのか?

「雑誌のプロフィール見られた時点でブラコンと思われちゃってるから、別にいいよ。それとも──」

 ここで悲しそうな顔で俺を見上げる桐乃。

「──あたしと腕組むの、イヤ?」

 だから目に涙ためて言うなって。
 そんな顔されたら嫌とは言えないじゃないか。
 ……実際、嫌ではないけど。
 もちろん、腕を組みたいと思っているわけではないから念のため。
 組みたいわけでもないが嫌でもない。
 桐乃がそうしたいのならそうさせておくさ、という程度だ。

「嫌じゃないけど、慣れてないからさ。俺とお前とじゃ歩幅も歩くスピードも違うし……」

 このまま走られたら俺のほうが引きずられそうだが。
 なんとなくだけどこいつって結構引き締まった体格してるし、体育系の部活とかやってそうなイメージあるからな。

「おにいちゃんのペースで歩いていいからだいじょうぶ。ちゃんとどこまでもついて行くから」

 そう言うと桐乃は絡めた腕に力を入れてきた。
 まるで俺の腕を抱きしめるかのように。

 ──可愛いじゃねぇか。こんちくしょう。

<了>


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