過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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368:或る兄妹の別れ 5/10  ◆ebJORrWVuo[sage saga]
2012/08/18(土) 00:04:12.51 ID:w9Y/glPqP
 そうだったな、黒猫の時に俺はそう知ったというのに。
 そういう型にはまっただけの兄妹から、本当の兄妹になれたと。
 兄だからとか、妹だから、とかそういう理由付けじゃなくてさ。
 ただ、助け合う。
 兄が、妹が。
 
 俺達は……兄妹なんだから。
 
「……分かった。なら桐乃。俺からも一つ質問していいか?」
「……何よ」
「……応援を、してくれないか?」
「応援?」

 ああ、これは質問じゃなく、お願いだな。
 
「俺は一人暮らしをする。それは覆す気はない。でもって、A判定取って戻ってくる。これも変える気はない」
「…………」
「だから、俺が戻ってこれるよう、応援してくれないか」

 おまえが応援してくれるなら、俺は頑張れる気がするんだよ。
 どんな結果だって出せる気がするんだ。
 
「……なーに、いってんだか」

 桐乃が呆れた様な声を出す。
 ……やっぱ駄目だったか。そうだよな、こいつが俺の応援するなんて……。
 
「言われなくても、応援するに決まってっしょ。あんたが戻って来なかったら、誰がシスカリであたしと対戦するワケ?」

 …………。
 もっと好意的に物事を捉えられないの、か。
 確かにそうなのかも知れない。
 俺は、桐乃の捻くれた好意を今までずっと見逃してきたのかも知れない。
 期待して裏切られるのが怖くて、ネガティブに捉え続けていた。
 自分を守る事に精一杯で、桐乃を見ない振りをしていたのかもしれない。
 
 桐乃は早々、優しい言葉を投げかけては来ない。
 厳しい奴で、甘くない奴だから。
 けどそれは……俺を思っての言葉だったんじゃないだろうか。
 
 あの幼馴染が母性で俺を受け入れ甘やかした様に。
 桐乃は……父性のように厳しく叱っていただけなのかもしれない。
 
「桐乃……。ありがとうな」
「い、いきなり何を言い出すワケ? 頭でも打った?」
「いや、何か凄く感謝したくなってきてな」
「そ、そう」
「俺、桐乃好きだわ」
「ブッ……!」

 げほげほと、桐乃がむせる。
 失敬な奴だ。
 
「あ、あんた、乙女になんて事やらせるワケ?」

 いや、そんな意図は決してなかった。
 つか勝手にむせただけじゃん。
 
「なんだよ、俺が桐乃を好きじゃ駄目だってのか?」
「な、な、な、だ、駄目に決まって……るワケじゃ、ないケド」

 なら問題ないじゃないか。
 
「桐乃、大好きだぜ」
「………………」

 お、ついに無反応になった。
 
「……あんた、もしかしてからかってる?」
「いや、割と本心だが」
「…………い、妹としてだよね?」
「……んー」

 感謝と共に、好意が溢れてる。
 だが、これは妹として、だろうか。
 
「んー、じゃなくて! 真面目に答えて!」


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