過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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370:或る兄妹の別れ 7/10  ◆ebJORrWVuo[sage saga]
2012/08/18(土) 00:05:12.72 ID:w9Y/glPqP
 ……やべえ、結構、いやかなり恥ずかしい。
 つか嬉しいのかよく分からねえな。
 
「……聞かないの?」
「なにを、だ?」
「……ふーん」
「…………」
「ヘタレ」

 ……うっせえ。
 もし、冗談だったとしても万が一にその質問をして、そうだよとでも返ってきてみろ。
 なんて言うか、なんて言うかだろ。
 俺が自身で想定してない展開だけあって、どういうリアクションが俺から出るか分からねえぞ。
 
「……さ、さて、そろそろ戻るか、な」
「ねえ、京介」
「な、なんだよ?」
「今の本当、だから」
「…………」
「あたし、本気で結構……あんたの事、好きだから」
「……そ、そうか」

 そ、それ以外に何を答えろっつーんだよ。
 つか、何かヤバい。
 これ以上はここに居ないほうがいい。
 なんてか、本気でデレた桐乃ってのはもはや凶器のレベルだ。
 
「……ねえ?」
「…………」
「家、出てかないでよ」
「……ちゃんと戻ってくる、って」
「やだ」
「……それは戻ってくるのが嫌って事か?」
「違うに決まってるっしょ」

 駄目だ、頭がくらくらしてくる。
 実は夢なんじゃねえか、今。
 周り暗いし、気付いたら寝てたとか。
 
 早く出よう。取り敢えずドアに向かって――
 
 ブゥン……プツ。
 
 ――そして視界が真っ暗に染まった。
 音で分かる。桐乃がパソコンを閉じやがった。
 
 そうか、こいつ、コードレスのマウスで……。
 
「あんたと二ヶ月も会えないなんて、嫌だから」
「……桐乃、電気を点けてくれ」
「あんたが一人暮らし始めたら、あたし絶対押しかけちゃうよ?」
「……桐乃」
「そしたら、今よりも健全じゃなくなっちゃうかもよ?」
「…………」

 ……これは、もう脅迫だ。
 なんだ、俺はどこかで選択肢を間違えたのか?
 
「もうあんたの手は離さないって、あたしは決めたから」
「…………」
「側に、居てよ」
「…………」
「いつかは……離れちゃうんだから」
「…………!」

 こいつは……。
 
「……別に、兄妹ってのはそりゃ……いつかは離れるけど、会えなくなる訳じゃないだろ」
「それでも、……誰よりも一緒には居られなくなるし」
「……それは……そうだけどよ」
「それにあたしが……留学したら、どうするワケ?」
「……するのか?」

 こいつは俺が幾ら聞いても何処に進学するかは言わなかった。
 だから、可能性としてずっと考えていた。
 また留学する可能性。
 前に、友人と話していた時、少なくとも卒業までは留学しないと言っていたのを聞いたことがある。
 じゃあ、卒業したら?
 
「…………」


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