過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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430: ◆6U1bthnhy6[sage]
2012/08/24(金) 02:39:11.52 ID:ITA1WgADO

気が付くと俺はソファに寝かされており部屋には一人きり。
テーブルの上には『実家に帰る!!』と一言殴り書きされた書き置きがあった。
部長たちからはメールが入っており、皆一様に『誤解は解けたから』との内容が書かれていた。
なんのことやら。

「いっててて・・・」

思いきりぶん殴られただろう右頬を擦りながら、俺はソファの上に座り直した。
時計を見ると既に7時半。
大分長いこと気絶してたことになる。

「・・・」

テーブルの上の書き置きに手を伸ばすと、それにゆっくり目を通す。
まあ、実家に帰るの5文字だけだからゆっくりもなにもないけどな。
まあでも・・・桐乃は迎えに行ってやらなくちゃいけねーかな。
あんだけ怒ってたことを考えると頭が痛いが、それでも大切な同居人だし。
それに・・・。
俺はチラシの書き置きにつっと指を滑らせる。
そこには多分、涙であろうシミの跡。

「・・・泣かせちまったしな・・・」

俺は最後に見た桐乃の顔を思い出してため息をつく。
・・・思いの外クルんだよなーあいつの泣き顔・・・。
御鏡の時も思ったけど、笑顔に慣れちまった今だから、余計にいたたまれない気持ちになる。

「あー・・・なーにが悪かったんかなー・・・」

思い返してみてもよくわからん。
桐乃の最後の台詞、

『なんで他の人がいるときにあれをやることに疑問を持たないのよあんたはっ!!?』

・・・ああそっか。

「恥ずかしかったのか」

考えてみりゃ簡単な話だ。
他人に、兄妹でまんまエロゲシチュの会話を聞かれる・・・どんな羞恥プレイだよ・・・。
俺は右手で額を叩くと、そのまま天井を仰いだ。

「あー・・・鈍い方だとは思ってたけど、ここまでだとは自分で驚きだ・・・」

・・・っても、自己嫌悪に陥っててもなんも解決しないわけで。

「・・・とりあえず、土下座でもなんでもして許してもらうしかねーな」

方針が決まるとなんとなく気持ちが楽になった。
単に楽観主義者なのかもしんねーけどな。
しかし・・・クク。

「・・・実家に帰った嫁を迎えに行くって、こんな気持ちなのかね・・・?」

結婚したことねーからわからんけど。
まあ、それでも何となくわかるもんさ。
一人くつくつと笑うと、俺はソファから立ち上がった。
とりあえずやることは山積みだが、まずは風呂に向かうとしよう。
折角桐乃が俺の為に沸してくれたものだ。
身も心もすっきりして、明日にでも実家に向かうとしよう。

END



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