過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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607:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/09/03(月) 06:01:25.81 ID:WPqF8HGIO
夫の誕生日を一緒に祝えなかったこと。2人が付き合った記念日を仕事が忙しく私が忘れてしまったこと。結婚記念日に夫からの電話にも気付けなかったこと。

たまに家に帰っても、夫は眠っていたり。加奈子の仕事が長引いていたり。2人で過ごす時間は目に見えて減ってきた。内心、寂しかった私も、父のため今が踏ん張りどきであると言い聞かせ、仕事を続けた。

夫からの連絡に応えられない日が続いた、2回目の結婚記念日。遅くまで働き、家に帰ったのは夜の1時。

「もう、寝てるよね・・・」

静かに家へと入った私を迎えてくれたのは、久しぶりに見る夫の顔だった。

「あなた、まだ起きていたんですか?」
「ああ」

目の前には夫が腕をふるったのだろう。ご馳走が並んでいた。

「ごめんなさい。今日はもう食べてきてしまったの」
「今日は結婚記念日だろ。メールをいれといたハズだけど?」
「えっ、そう?・・・本当だ、忙しくて気付かなくて」
「そっか。なら、俺が1人で食うよ」

ふらっと立ち上がり、食べ物をよそう夫。無神経な私は一言

「そうして下さい。では明日も早いので。おやすみなさい」

といって、寝床へと向かった。久しぶりに見た夫の顔は今思い返せばさみし気だったような気がする。

次の朝。寝不足だったものの、今日も遅れる訳にはいかない、と起きると居間の机で夫が何やら書いているのが見えた。

「おはようございます、貴方」
「ああ」
「何をしてらっしゃるんですか?」

丁度書き終えたのだろうか。ペンを机におくと夫は振り返り

「あやせ、座ってくれ」
「いや、私今日も早いので」
「大丈夫だ。すぐ終わる」

夫の前に腰掛けた私に、彼はこう告げたのだ。

「俺たち、別れよう」

と。


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