過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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845:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/08(月) 21:40:33.32 ID:Nc1yg1cMo
デッドストックなら誰しも抱えてるんじゃないかね。途中まで書いたけど、なんとなくやめちまったみたいなのとか……
まあ、話は変わるけど、暇なんで小話を一つ投下


『京介と桐乃と給料日』

桜もすっかりと散ってしまった四月某日、俺は両手に荷物を抱えてアパートに帰った。
最愛の妻、桐乃は夕飯の支度中らしく、アパートの換気扇からは美味そうな香りが漂ってきていた。
俺は荷物を片手に持ち直し、そっとドアを開けた。

「――あっ、おかえり京介、もうすぐ晩ごはんできるから待っててね。
 今日はあたしが腕によりをかけて、いっぱい美味しいもの作ったからね。
 ……どうしたの京介? なんか浮かない顔してっけど」

「すまねえ桐乃! 俺を罵るなり蹴飛ばすなり好きにしてくれ!」

「どうしたのいきなり――って、土下座なんかしないでよ、ねぇ。
 ……会社でなんかあったの?」

ことごとく就活に失敗した俺は、大学を卒業する間近になって、ようやく書籍の某取次会社に就職できた。
そして何を隠そう今日が、俺が就職して初めての給料日だった。

「……何なのそれ?」

「給料の代わりだって言いやがって――社長の野郎! ぶっ殺してやりてえよ!」

「まさか……現物支給!?」

そのまさかだった。
俺は溢れ出る涙を拭うこともできず、桐乃の目の前で乱暴にその包みを解いた。
桐乃は恐ろしいものでも見るような目で、ただ呆然とそれを見つめていた。

「信じらんねーだろ。……これが給料の代わりなんて」

「なんていったらいいのか、あたしもわかんないけど、……でも、元気出してよ。
 あたしは、京介と結婚できただけで幸せなんだからさ。
 たとえ、法律上は夫婦として認めてもらえなくたって、それでも幸せだよ」

「桐乃、……桐乃。――俺は、世界一の幸せもんだよ!!」

俺は、大量に返品された『俺の妹がこんなに可愛いわけがない 11』に顔を埋めて泣いた。

(オワコン)


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