過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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856:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:13:28.38 ID:UgVSypyPo

俺は大きく深呼吸をして、その香りを胸いっぱいに吸い込んだ。

「もう、きょうちゃんたら、おじいちゃんみたいだよぉ〜」

「別にいいじゃねえか。俺はこの香りを嗅ぐと、何でかしらんけど落ち着くんだよ」

高校三年生の男女が、玄関先で交わすような会話じゃないことは十分承知さ。
爺さんと婆さんが、仏具屋で話してんのと変わんねえ。

「ほら、きょうちゃん、いつまでも深呼吸なんかしてないで……」

「すまん、つい我を忘れちまった」

勝手知ったる他人の家とはいえ、俺は一旦靴を脱ぐと、玄関の式台に膝を突いて靴の向きを揃えた。
麻奈実の友達は靴の脱ぎ方も知らねえなんて思われたくはないし、後で麻奈実が注意されても可哀想だから。

「なぁ麻奈実、……お客さんの靴が見あたらねえけど?」

玄関には、いま俺が脱いだ靴と麻奈実の靴しかなかった。
外の傘立てにお客さんの傘があるんだから、当然のこと、玄関には靴があるはずだ。
不思議に思って良く見りゃ、玄関のたたきには濡れた跡がある。

「あ、たぶん、靴が濡れちゃったから、お店か作業場の方で乾かしてるんだと思うよ。
 そんなことよりもきょうちゃん、早くあがってあがって」

「まぁ、確かにそんなことといやあ、そんなことだけど……」


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