過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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◆6U1bthnhy6
[sage]
2012/07/24(火) 23:55:58.25 ID:28KcrTfDO
加奈子は結婚する前から、俺の幼馴染である田村麻奈実に家事一般の指導を受けていた。
当時は『師匠』と呼んでいたから、軽い弟子入りみたいなものだったのかもしれない。
その関係は、呼び方が麻奈実さんに変わった今も続いており、嫁の家事スキルは日々上昇を続けている。
まことにもってありがたい話しなのだが・・・一つだけ困ったというか、迷惑なものがある。
それが先ほどの『おこるよ?』である。
麻奈実は決して本気で怒ることなどない奴だが、同時に本気で怒らせてはいけないという、稀有な特性の持ち主である。
本気で怒らせたが最後、死よりも嫌な体験をさせられる羽目になることを、身をもって知っている俺である。
その迷惑極まりないスキルを・・・あろうことか加奈子に伝授してしまったわけだ。
師匠・・・やりすぎッスよ。
「あー・・・スマン加奈子。久し振りの水入らずだもんな。折角なら楽しく飲みたいよな」
「わかって下さったならいいんです」
ニコニコと微笑む嫁は、先ほどの迫力などどこへやら、楽しそうに飲み会の準備に取り掛かる。
「ほら桐乃、あれ」
「あ、うん」
どうにか落ち着いたらしい桐乃が、加奈子に促されて先のカクテルセットが入ってたバックをゴソゴソと漁る。
「ん、しょっと」
取り出したのは何枚かの紙の束。
それを「ん」と俺に差し出してくる。
訝しみながら受け取った俺だったが、表面に目を走らせた途端なるほどと腑に落ちた。
「用意周到だな」
苦笑交じりの俺の言葉に、へへっと二人が笑った。
それは、カクテルのレシピだった。
ネットで調べてプリントアウトしてあるそれは、素人でも一応は作れるように細かく書かれていた。
「どうせカクテルなんて洒落たもの知らないあんたのために用意してやったのよ」
あーめんどくさかったー。
ふんと鼻を鳴らして恩着せがましく言う桐乃。
・・・ホントに一言一言がムカつくなこいつは。
ひくひくと頬をひきつらせてる俺の耳に、クスクスと楽しそうな笑い声が届いた。
「そんなこと言って。『兄貴にカクテル作ってもらうんだー』って嬉々としてネットで調べてたのは誰だっけ?」
「・・・おいおいマジかよ?素直じゃないねぇ、うちの妹は」
さっき、チラリと加奈子が俺に視線をくれた。
なるほど。
明らかにからかう為の加奈子の言葉。
それを敏感に察知して俺は乗っかった。
案の定、桐乃は真っ赤になって否定し始める。
「ちょっ、加奈子!やめてよそんな言い方するの!勘違いされたら迷惑じゃん!あんたも納得すんなっ!!」
「そう?『なにこのサイト不親切ー!!もっとわかりやすく書きなさいよねー!?兄貴が悩んじゃうじゃん!』」
「うっわ泣きそう俺」
「わああああっ!!」
「『よっしこれでOK!加奈子、兄貴のカクテル楽しみだね!!』」
「おまえ・・・そんなこと思って・・・」
「きゃーーーーーーーーーっ!!」
でっかい声出すなよ。
面白そうだから加奈子に乗っただけだって。
お前がそんなこと、死んでも言うはずないもんなぁ・・・。
そう心で呟いて、ちらりと傍らの嫁を見る。
ひとしきり桐乃をからかった気が済んだのだろう、加奈子は満足そうな笑みを浮かべていた。
実はこの辺、若い頃と同じで加奈子の悪い癖であったりする。
今でも俺、たまにからかわれるもんな・・・。
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