過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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864:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:17:12.01 ID:UgVSypyPo

「きょうちゃん。おばあちゃんがね、いつかわたしに言ったことなんだけどね。
 ……自分が好きだと思う人よりも自分だけを見ていてくれる人を好きになった方が、
 女は幸せになれるんだよ、だって」

俺は口元まで運びかけていた菓子を、思わず取り落としそうになった。
お茶を飲んでいる最中じゃなかったことが、これほどまでにありがたかったことはない。
雨はいつの間にか雷を伴って、音を立てて激しく降っていた。

今朝の天気予報じゃ、午後からは晴れるって言ってたじゃねえか。
晴れるどころか土砂降りだよ。ほんと、天気予報なんてもんは当てになんねえよ。
それにしても、麻奈実のヤツは一体どういうつもりなんだろう。
俺は平静を装い菓子を一口食ってからお茶を啜ると、麻奈実とは目を合わせず訊ねた。

「婆ちゃんが言ってたっていう台詞の意味は、俺にはいまいち分かんねーよ。
 もしかして、麻奈実……誰か好きなヤツでも出来たのか?」

「わたしの好きな人は、昔からきょうちゃんだけだよ。
 ……だけど、それが幼馴染として好きなのか、それとも別の意味で好きなのか、
 今のわたしにはよく分からないんだよねぇ。……でも、この前ある人からね……」

俺が目を逸らせても、麻奈実が俺をジッと見詰めていることくらい分かるってもんさ。
座卓を挟んで座っているだけだからな。
それで俺にどうしろってんだよ。祝福でもしろって言うのかよ。

麻奈実は明るい性格で人当たりも良いが、それほど交友関係の広いヤツでもねえ。
となると、麻奈実に告白しそうな物好きなヤツで、めぼしい野郎といえば……。
自分の親友を悪く言いたくはないが、アイツなら麻奈実に言い寄っても不思議じゃねえ。
いつだったかも、俺に麻奈実のことをそれとなく訊いてきたもんな。

「赤城か?」


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