過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
1- 20
866:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:18:05.80 ID:UgVSypyPo

麻奈実は俺から眼を逸らし、俺の後ろにある襖を見てやがる。
襖が何だってそんなに気になるんだ? お客さんに聞かせたいわけでもあるまい。

「きょうちゃん……わたしって、きょうちゃんにとって楽なだけ?」

いつの間に、こんなおかしな展開になったんだ?
俺が今日麻奈実んちに来たのは、元はと言えば爺ちゃんの新作の菓子をご馳走になるため。

「ごめんね、きょうちゃん。……わたし、お母さんに言われてお店を手伝わなくちゃいけないんだ。
 お皿とかお茶碗とか、あとで片付けるからそのままにして置いてね」

呆気に取られている俺を残して、麻奈実は静かにお茶の間を出て行った。
俺は仕方なく皿に残された菓子を口に放り込み、湯飲みの茶を一気に飲み干すと腰を上げた。

俺が店の裏にある作業場に顔を出すと、爺ちゃんは既に明日のために仕込を始めていた。
洗い終わった小豆を大鍋に入れ水に浸したり、上新粉を何度もふるいに掛けたりと、
ガキの頃からの見慣れた風景だった。

「よっ、爺ちゃん、……ご馳走になったよ。良くできてるじゃねーか」

「ほほう、きょうちゃんにそう言ってもらえれば、間違いはないじゃろう。
 きょうちゃんは、昔から和菓子にはうるさいからのう」

「ケッ、なに言ってんだか。俺が爺ちゃんの和菓子に、文句つけたことなんかねーだろが」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/800.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice