過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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875:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:24:55.19 ID:UgVSypyPo

あやせが曲がり角を曲がってその姿が見えなくなるのを待って、俺は家へ向かって歩き出した。
どうせ俺は、あやせ蜘蛛(顔は天使で腹が黒い)に捕まった情けない昆虫さ。
それにしても、麻奈実は俺のことが好きなんだと言ったときの、あやせの苦しそうな表情は一体何なのか。

「なわけねえよな。……からかわれてんだよ」

俺が難攻不落なあやせを攻略しようとして、どれだけ辛酸を舐めさせられたことか。
そのたびにあやせから叩かれ蹴られ、それでも立ち向かって行く俺って、ある意味勇者じゃねえか。
まあ、見ようによっては、俺の中のドM体質が覚醒したのかもしれねえけど。

  ☆

田村屋の手伝いをするかあやせとの映画を優先するか決めかねていた土曜日の夕方、
突然、当のあやせから「明日はお姉さんのところでバイトですからよろしくおねがいします」との連絡があった。
俺をおちょくるのもいい加減にしろ! と、怒鳴りつけたいのは山々だが、できるわけがない。
内心、これで麻奈実も機嫌を直してくれるだろうし、爺ちゃんの顔も立つだろうと、それが正直な感想だった。

物産展では麻奈実やあやせたち女性陣が販売の先頭に立ち、俺はおじさんが店から運んできた和菓子の補充など、
要は裏方というか、雑用全般を引き受けた。
売れ行きの方は順調で、夕方には用意した品はあらかた捌けていた。
中学生のあやせに配慮してか、おばさんの好意で俺とあやせは閉店よりも少し早く上がらせてもらえた。

「お兄さん、さっき田村屋さんで頂いた封筒を見せてもらえませんか?」

「麻奈実のとこでもらった封筒って、バイト代の入った封筒のことか?」

「あやせが何を考えてんだか分かんねえけど、中身は同じだぜ」

俺は特に気にも留めず、バイト代の入った封筒をあやせに差し出した。


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