過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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88: ◆6U1bthnhy6[sage]
2012/07/25(水) 00:11:37.94 ID:yQMb00ZDO

「なーるほどねえ・・・フン。ま『京介』にしちゃ割とマシな提案なんじゃない?」
つんと顎を逸らせ不敵に笑いながら、まずは妹様の降臨だ。
「てゆってもぉ?『京介』は他にとりえなんてないわけだしぃ?せめて企画くらいはやってもらわないとねえ?」
「おーおー久しぶりだなぁ呼び捨て」
水を得た魚のように、遠慮なく俺を呼び捨てにする桐乃に知らず笑みがこぼれる。
俺と加奈子がつきあい始めてから桐乃は、俺のことを『兄貴』と呼び方を固定していた。
それまで『京介』と併用していたのに、だ。
当時、一度だけ理由を聞いたことがあるが「ケジメつけないと」とだけ言われた。
正直・・・少し寂しくも感じたもんさ。
「兄貴一辺倒だったからなお前。さぞや嬉しいんじゃねーの?」
そんなことはおくびにも出さず、俺は桐乃をからかってやる。
「ばばばばかじゃん!?あんたのこと呼び捨てんのなんか嬉しくもなんともないっつーの?」
「そうか?なんなら『お兄ちゃん』って呼んでもいいんだぜ?」
俺の言葉に真っ赤になって桐乃が怒鳴りつけてくる。
相変わらず煽り耐性ねーなお前。
「き、キモッ!おおおお兄ちゃんなんて一回も呼んだことないし!」
「そーか?俺、何度かお前の寝言で聞いたことあんだけど?」
「!?ねねね寝言なんてどどどどこで聞いたのよっ!?」
嘘に決まってんだろバカ。
「あー、そーいや聞いたことねーな。やー勘違い勘違い」
「なっ!?ああああんたねえ・・・!」
「・・・ひひっ」
俺達が当時(今も大して変わらんが)の口論をしていると、それこそ悪戯好きな小娘の声が耳朶を打つ。
俺と桐乃は一瞬顔を見合わせると、プッと噴き出してから声の主にゆっくりと目を向ける。
「よう」
「・・・あのぉ?シスコンにブラコンとかぁ、まじキメーんですけどー?」
「・・・初っ端っから全開だな『クソガキ』」
俺の言葉に、目の前の『クソガキ』は目を細め、意地の悪そうな笑顔を浮かべた。
「はあ?なにゆってんの『セクハラマネージャーさん』?オメーがやろーって言い出したんだべ?」
「・・・一瞬で後悔したぜ」
視線の先加奈子は、あろうことかソファーの上に胡坐をかいてニカッと歯を剥いた笑顔で座っていた。
「スッゲー当時のままだなお前・・・」
髪の色を除けばまったく当時の出で立ちの我が嫁に、少なからず俺は驚いた。
こいつ成長とかマジしてんのか?
「あんだよ『京介』ぇ?この成長しきった加奈子様の、どこが当時のままなんだヨ?」
「主に胸」
「なっ!?」
さらっと本当のことを言ってやると、加奈子は真っ赤になって両手で自分の胸を隠した。
「て、てめーっ!?い、今、一番触れちゃいけねー部分に触れたぞっ!?」
「そーかそーかー気にしてたのかー。加奈子様はかわいいなあ」
頭を撫でながら、俺は、はっはっはとわざとらしく大声で笑ってやった。
心配すんな。俺はその小さい胸が好きだから。
「て、てめー調子乗ってんじゃ・・・」
「加奈子」
「え?」
不意に名前を呼ばれて、加奈子が桐乃に向き直る。
なんだおい桐乃?その真剣な表情は?
「加奈子」
「な、なんだよ?」
「・・・カナカナちゃん、て呼んでいい?」
「いや、それまじキメエからかんべん」
「あううう・・・」
玉砕し、目の前でorz←こんな感じになってる我が妹に俺は声をかけた。
「・・・お前って、良くも悪くも成長しないよな・・・」

――――俺の妹がこんなに残念なわけがない・・・。

俺がそう思ったかどうかはともかく、俺たちの『なりきり』飲み会はこうして幕を開けた。



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