過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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◆k4qYXRI5uY
2012/10/20(土) 01:13:11.17 ID:HeVeLoH20
木々が途切れたその空間の中心には、枯れた木がある。特別なものはなにもない、ただの木が。
だけど誰の仕業か、その枯れた木にはとても地味なものが飾られていた。
ガラスの欠片。
それは夏には葉に阻まれて分からない、秋には紅葉に阻まれて分からない、春には桜に阻まれて分からない。
分かるのは、そう、冬の夜だけだ。
月を反射して雪とともにキラキラと煌く、祭の光の影に隠れた光。
俺も自然と笑みになって、加奈子の後につづいた。
そうしていると、いつのまにかどんどんと人数が増えていく。皆感嘆の声を上げながら集まってくる。
俺に加奈子にブリジット。
麻奈実
桐乃
あやせ
黒猫
沙織
去年はここに俺とお前しか居なかったのになぁ。
ガラスでキラキラと光る木に向かって一人話しかける。
これはお前が寂しいからか? ……だとしても、ありがとよ。
去年、あの寺の神さんよりお前に祈って良かったよ。だって、今年はこんなにも楽しい初詣が出来たんだから。
「なぁ皆、俺ここで祈ってくわ。以外とご利益あるんだぜこいつ」
なぁ、おい。今年はちょっと願いごとが違うけど、大丈夫だろ? ほとんどおんなじ願いなんだからよ。
「そうなの? じゃぁ私も一緒にお祈りするよきょうちゃん」
「あたしもそうする! これも何かの縁だしね それにもうあの人混みはこりごりだし」
「そうですね、あそこの神様も大変でしょうし私達はこちらでお祈りしましょうか」
「加奈子もそうすっか!」
「かなかなちゃんがそうするなら私もー!」
「ふむ、私は魔界の人間なんだけど、たまには祈ってみてもいいわね、叶わなくても願うことに意味があるでしょう?」
「はっはっは、それでは皆で願おうではござらんか!」
楽しいか? おい。 折角だからこんな思いを一度と言わないで何回も味わいたいだろ? 去年のような寂しい初詣は嫌だろう?
だったら叶えてくれよな。寂しがりの木さんよ。
皆は目を瞑り祈る。
【今年も皆と、仲良くできますように。】
皆は自分と同じことを皆で祈ったなどと知らずに、互いに恥ずかしげに笑いあったのだった。
fin
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