過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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916: ◆k4qYXRI5uY
2012/10/24(水) 01:33:12.55 ID:hjqbnE7P0
風鈴。









俺の部屋には、風鈴がある。夏になると涼しげな音を鳴らす、結構上等な風鈴が。
だが他の部屋には風鈴は無い。妹の部屋もリビングも親父やお袋の部屋にも、風鈴は、無い。

何故かって?

「あっちぃ」

俺の部屋にクーラーが無いからさ。

前にお袋にクーラーを買ってくれと頼んだら、お袋は「はいはい、分かったわよ」と言って承諾した。その来週ぐらいにお袋はこの風鈴を買ってきた。
なにやらお袋が言うにはこれは職人さんのオーダーメイドらしく、一個5000円するらしい。

買ってくれた当初は「へぇ、結構綺麗じゃん」とか言いながら部屋に飾っていたのだが、いつまでたっても肝心のクーラーが俺の部屋に来ない。
どうなっているんだとお袋に聞くと、なにやら意味の分からないことをほざき始めた。

どうやらお袋はこの風鈴をクーラーがわりに買ってきやがってくださったようだ。

殴りかかりそうになる衝動をなんとか我慢し、落ち着いて対処しようとする。お袋が言うにはお金が無くて、今は買えないそうなのだ。ならば仕方ない、親父の給料日まで待とうではないか。親父の給料日まであと二週間だ、待てない期間では無い。
そうお袋に言うと、今度はどうだ、宇宙人語を喋り始めたではないか。

「今月の給料でも無理そうなの、ごめんね。ほら、だって家族で旅行に行くじゃない? だからちょっと無理かな」
「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁ!」

あぁ、叫んだ。叫んださ。
俺の部屋の猛暑の解消よりこの親は自分達の旅行を優先させやがったのだから。

でもいくら叫んでもここからは無駄だった。お袋に日本語では通じないのだ。
知らぬ間に有耶無耶にされ、今の現状にいたっている。

部屋の中はもう30度以上の気温だ。ベッドに寝た瞬間布団が暑くてまた起きる。無理に寝続けても最終的に布団が汗で濡れて気持ち悪くなって起きる。
リビングは桐乃の奴が占拠して使えない。桐乃の部屋に無断で入った日にゃその日が命日だ。


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