過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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920: ◆k4qYXRI5uY
2012/10/24(水) 01:35:20.17 ID:hjqbnE7P0

「わぁったよ」

そしておもむろに立ち上がって窓際に取り付けていた風鈴を取った。
そして机の上にある団扇も取ってくる。

「もってろ」
「うん……?」

なにをするのだろうと疑問に思っていたら、兄貴はあたしの隣にどすんと座って、しかめっ面をしながら団扇であたしを扇ぎだした。
ふわりと髪が舞う。

チリンチリン。

あたしの手の中で、兄貴の団扇に扇がれて風鈴が鳴る。

しかめっ面で扇ぎ続ける兄貴。
あたしは思わず笑みをこぼしそうになるのを堪えるのに必死だ。

こんなに暑い中、それに喧嘩中。それでも兄貴はあたしの言った事のために動いてくれる。

それがとても嬉しかった。
もう耐え切れなくて、あたしは笑みを浮かべてしまう。

「ふふっ」
「? どうしたよ」
「なんでもないっつの!」

兄貴が怪訝な顔をするも、あたしは笑い続ける。

この我慢大会がいつまで続くのかなんて知らない。けれどこんな状況も、悪くない。
そう考えてあたしはいっそう笑みを深くしたのだった。



その後。風鈴の涼しげな音色とともに、どこかの兄妹が仲直りをしたそうな。






fin


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