6: ◆0WipXNi8qk[saga]
2012/07/15(日) 18:46:41.75 ID:arZspdAto
その後、理科はプンプンと怒って帰ってしまった。
後でちゃんと謝んないとな、何で怒ったのかは分からないけど。
俺はちょっと早めに夕食を作る。
といっても、俺や小鳩の腹が減ったわけではない。
実は俺は、これから聖クロニカ学園の理事長の家へ向かわなければならないのだった。
まぁあれだけの事をして停学ですんだのだ。
普通なら退学……どころか警察沙汰なわけで、さすがにこうやって自宅謹慎だけで済むはずがない。
訪問する先が校長じゃなくて理事長というのが何とも私立の学校っぽい。
元々、理事長と俺の父親は友達らしく、俺と小鳩の編入の件でかなり無理を言ったらしい。
いつかお礼を言いに行かないとな、などと考えていたので、こんな形で恩を仇で返す事になったのはかなり心苦しい。
とにかく、心の底から謝りたい。
「小鳩ー、夕飯作っておいたからレンジで温めて食えよー?」
俺は二階に居る小鳩にそう伝える。
返事は返ってこない。やはりまだ怒っているようだ。
帰ったら小鳩にも謝らないとな、と思いながら俺は家を出た。
***
普段通学に使っているバスに乗り、クロニカ学園前を通りすぎて5つ目のバス停で降りる。
そして目の前。
道路を挟んだその先に、草花が生い茂る小高い丘があり、その先に立派な洋館が建っていた。
俺は洋館へ向かう石畳の道路を歩いて登っていく。
私立校の理事長というからある程度は予想していたが、こんな明らかな高級感溢れる場所にいると何とも居心地の悪さを感じてしまう。
10分程歩くと坂が終わり、玄関前に辿り着いた。
目の前には巨大な扉。
その威圧感に俺は思わずゴクリと生唾を飲む。
普通の家でも玄関先に立つと緊張するのに、こんな豪邸の前ともなるともう緊張しすぎて気持ち悪くなってくるくらいだ。
俺はとりあえずチャイムを探す……が、ない。
(の、ノックするのか? で、でもこんなでかい扉ノックしたって気付かれないんじゃ……)
どうする? >>7
1002Res/629.69 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。