63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/24(火) 21:33:15.84 ID:B8whUwhOo
とは言ったものの、この広い街で人一人を見つけるのは言うほど容易くはありません。
父上ならば眼を使ったでしょうし、母上ならば眷属を使役して探したでしょうが、
まだまだ修行中である私には地道に探すしかありません。
なるべく日陰を通りながら気配を探りますが、これと言って何も感じませんでした。
彼女の好みそうな茶屋や公園に足を踏み入れますが、害の無さそうな学徒がたむろしているだけでした。
考えてみれば私は彼女の事をほとんど何も知りません。
知っている事といえば、お茶を入れるのが上手で、気が弱く、男性が苦手という事だけです。
どうしたものかと、立ちすくんでぼんやりとしておりますと、昼間の会話をふと思い出しました。
『私……、やっぱりこのお仕事向いてないのかなって……』
『昨日もまたやっちゃって……、沢山の人に迷惑をかけて……』
『ならば精進されなさい。失態を憂いているだけではなにも変わりませんよ』
『うぅ……』
公園を足早に抜けるとはっきりと目的を定めて歩き出しました。
私は彼女がただ弱音を吐いているだけと思い込んでいましたが、もし彼女が小鳥嬢の言う通りの人物ならば……。
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