過去ログ - 和「あんたのなつやすみ」
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50:μ[saga]
2012/08/04(土) 19:42:53.30 ID:+h5IACDF0
「よく考えなさい、唯。
ハワイ帰りという事になっている私達は、
夏休み後、クラスメイトから質問攻めに遭う事になるはずよ。
「ビーチはどうだった?」、「日本人ってどれくらい居た?」、
「日焼け止めとかちゃんと塗った?」、「カメハメハ大王饅頭売ってた?」、
そんな多くの質問を何人から何度も訊ねられる事になるでしょう。

その時、その質問に即答出来なかったらアウトなのよ。
一瞬でも口ごもってみなさい。そこから私の計画の全てが瓦解するわ。
特に唯はただでさえ嘘を吐くのが苦手なんだから、
妙に鋭い事がある律辺りに突っ込まれるとすぐ馬脚を露わす事になるでしょうね。
だから、ハワイの知識はこれから唯にじっくりと教え込ませてもらうけれど、
それでもね、単に机の上で勉強するだけでは分からない事があるものよ。

勿論、それは実践よ。
ハワイに行った人がほぼ確実にやる事を実践しておかなければ、
私達の嘘はすぐに見抜かれて、噂となって町中に広まってしまう事になるわ。
それだけは避けなければならないのよ」


「それは何となく分かったけど……、
結局、何を実際にやるの、和ちゃん?
……ひょっとして、日焼けオイルとか?」


「そうよ、さっきも言ったでしょう、唯。
ハワイ……、いいえ、ビーチの波打ち際の人達は、
ほぼ確実に日焼けオイルか日焼け止めを塗っているわ。
だからこそ、私達はそれを綺麗に塗れる練習をしておかなければならないの。
特に私達は一週間以上の長い期間、
ハワイに滞在してる事になっているわけだから、
そんじょそこらの海の家の店員以上の実力を身に着けておくべきなのよ」


「そんじょそこらって、和ちゃん……」


「というわけで、唯……」


言い様、私は箪笥の上に置いていたそれを手に取って唯に見せ付けた。
そう。これから私達はハワイのために多くの努力を重ねなければならないのだ。


「今から風呂場に行ってオイルを塗る練習をするわよ。
全身にムラなくオイルを塗れるよう、しっかり気合いを入れるのよ。
特にあんたはかなり不器用なんだから、頑張ってよね」


「別にやる事も無いし、それはいいと思うんだけど……。
今、和ちゃんが手に持ってるのって、オリーブオイルだよねー?
それ塗るの? 大丈夫?」


「日焼けオイルは現地で調達するつもりだったから家に無いのよ。
でも、心配しなくても大丈夫。
肌のケアにオリーブオイルを塗る事があるって聞いた事があるわ。
それに食べられる物なんだから、肌に塗っても平気なはずよ」


「ええー……」


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