過去ログ - 姫「勇者様、どうか世界をお救い下さい!」 転生男「……マジ?」
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24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage saga]
2012/07/21(土) 17:24:42.21 ID:NbhvTGEh0
国王「その当時、新たに誕生した魔王は非常に強力で狡猾だった。 見る間に人間の領土を奪い取り、大陸の半分以上を征服されてしまったのだ。 疲弊し、戦うこともままならなくなった当時の国王は、血の涙を流しながら降伏し、停戦協定を結んだそうだ」

姫「そ、そんな! 200年前の大戦では、人間側が勝利したはずじゃ……!?」

国王「それは、改ざんされた歴史だ。 我らの祖先が真実を隠したのだ」

姫「嘘、でしょう……?」

国王「残念ながら、私の語ったこと、これから語ることは全て真実なのだ……やはり、これ以上はやめておくか?」

姫「……最後まで、お聞かせください」

国王「…承知した」

国王「では、続きを話そう。 停戦協定を結んだ時、魔王は一つの条件を人間に押し付けた――――それが、『勇者を差し出す』というもの」

男(勇者を、差し出すだと……!?)

国王「あらゆる人間の能力を凌駕し、人類の希望の光となる者、勇者。 それを、魔王は召喚が可能である20年ごとに差し出すように要求してきたのだ……そこから、儂ら王族の罪の連鎖が始まったのだ」

国王「人類の為に勇者を生贄にしていることが知れ渡ってしまわぬよう、あろうことか魔王と手を取り、協力してきた……! 召喚が行えるようになる前の辺りから魔物の活動を活発にするよう魔王に嘆願し、魔王が復活したと騒いでは魔術師たちの協力で生贄を召喚し、魔王の遊び相手となる為に鍛えられ、優秀な仲間と共に送り出して、ある時は死んだ勇者の替え玉まで用意して……まるで、まるでこれでは家畜を屠殺場に送っているようなものだ!! 儂ら王族は、いつかは魔王を屠ることができる者が現れるという有り得ぬ幻想を抱きながら、魔物の傀儡となり惨めたらしく生きてきたのだよ」

姫「そん、な………では、勇者様は――男様はどうなるのです!!」

国王「……彼もまた同じく、魔王の元に送られいたぶり殺されるのだろうな」

姫「そんなの、認めないっ!! 男様ならきっと、魔王を打ち倒せますっっ!!」

国王「それは、絶対に有り得ぬ。 魔王が今まで何人の勇者を喰らってきたのか分からぬのか? 最早勇者どころか、人類すべてが束になっても打ち勝つことは出来ぬだろうな」

姫「それじゃあ……それじゃあ何で、私達は奴らに未だ滅ぼされていないのでしょう……?」

国王「……恐らく、”娯楽として、食糧として”、なのであろうな」

姫「……私達は、家畜と同程度の存在だったのですね」

国王「それは――――」

姫「――――違うとでも言うのですか!? いいえ、そうでしょう!? 魔物達の手のひらの上で遊ばれて、あまつさえも、異世界の人間まで……男様まで巻き込んでッ!! こんな世界の中で、私達が生きる価値なんて無いじゃないですか!!」

国王「……すまない」

姫「……失礼、致します」


バン!!タタタタタ……


男(……ふぅ、見つからずに済んだ)

男(ああ、でも)

男(そういうことだったのか)ズルズル

男(最初っからオカシイとは思ってたんだ。 なにが、『生還を果たした方』だよ……そんなの一人もいねぇじゃんかっ!!)グシャグシャ

男(もう、ここに来た瞬間から、俺の死は確定してたんだな……)

男(家族や友達、今何してるかなぁ……俺の事、探してくれてるかなぁ)

男(……っぐ、何で、何で俺なんだよぉ)ポロポロ

男(悪い、ことした、かよ、俺が……こんなの、あまりにも理不尽だろぉが!!)グスッ

男(今すぐ還りたい、けど、その手段も無いし……何より)

男(姫も、泣いてたよなぁ……)

男(今すぐ逃げ出したいけど、見捨てるわけにも行かないし)グッ

男(どうせ死ぬなら、最後まで足搔いてやる……ああ、やってやるさ!!)

男(日和ってる魔物たちに、人間の底力見せてやんよ!!……まあ、実物は一度も見たこと無いんだけどね)


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