過去ログ - 恒一「ポケモンバトルに負けたら廃人になる現象?」
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128:VIPにかわりましてHAIJINがお送りします[saga]
2012/07/26(木) 02:11:24.74 ID:m6jwgfcX0

恒一「じゃああと少しだけ勉強したらしてあげる」

多々良「やったあ」



多々良「やっぱりなんというか、絶対に勝つ、勝つっていう空気があるよ。榊原君にも」

恒一「え、僕?」

多々良「そう。私たちが今直面しているこの問題が深刻なのはわかるけど、それでも私たちは『楽しい』って感じることを」

多々良「榊原君も忘れているんじゃないかって思う時があるの」

多々良「私は榊原君みたいに『勝ってやる』とか『勝つためにはどうすればいいか』なんか考えられないよ」

多々良「もちろん授業は楽しいよ。新鮮だし、わかりやすいし」

多々良「だけどね、私は思うの」

多々良「初めてゲームボーイを触って、ポケモンのソフトを挿して、ポミューンって電子音が聞こえて、ダーン!ってタイトルが出てきた時のあの感動」

多々良「最初にポケモンをやったとき、三値とかそんなの全く考えないで遊んでた」

多々良「頑張ってストーリーを進めていたらすごい強いジムリーダーとかライバルとかが現れてあっさり負けちゃって」

多々良「次は絶対勝つぞーって思ってレベルあげて挑んでまた倒されて」

多々良「それだけでもすごく面白いと思った。何でもないけど、すごいことやったって達成感が気持ちよかった。私はその思いを忘れたくない」

多々良「でも今は、ヨミヤマミサキが表れてからはみんな勝つことばかりにこだわって、その感覚を忘れてるんじゃないかって思う」

恒一「……僕もはじめてポケモンをやったときのことをよく覚えているよ」

恒一「確かしょうもない悪戯心で怜子さんのデータを消しちゃったことがあった」

恒一「怜子さんのデータがまたすごくて。150匹そろっててもうやることないなと思ってデータを消したんだ」

恒一「すると烈火のごとく怒られて、ぜんっぜん口をきいてくれなかったんだよ」

多々良「ふふ、子供ね」

恒一「ほんとにしょうもないことをしたと思うよ。で、それから僕もポケモンを買ってやりはじめて」

恒一「多々良さんと同じように、あれこれ戦ってたくさん負けても、どの戦いも楽しいものだったと思うよ」

恒一「150匹そろえる大変さもわかったから怜子さんの怒りの理由もわかったし」

恒一「多々良さんの言う通りかもしれない」

多々良「ゲームって楽しんだもん勝ちなんじゃないかって、そう思うのよ」

恒一「楽しんだもの勝ち、そうだね。多々良さんはすごいな」

多々良「そうかしら。今までずっとそう考えていたからすごいのかどうかわからないけど」

多々良「ひょっとして今榊原君に勝てばすっごく楽しいことになるかも」

恒一「ストップ」

恒一「次の問題が終わってからね」




赤沢(……最悪の結末はなかったのに何かしらこの妙な敗北感は)

鳴(そんなことだろうと思った)

綾野(二人とも、クラスのこととか考えてたんだ……私も頑張らないと!)


その後、唐突に現れた見崎と綾野さん、そして突然向かいの席に座った赤沢さんを交えた5人で勉強会を開催した。

解散した後多々良さんと戦ってみたが、多々良さんは勝つことよりも自分も相手も楽しいと思えるようなバトルを展開してくれた。



恒一「楽しんだもの勝ち、か……」


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