過去ログ - まどか「未来から来た私の子供!?」
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536: ◆Y9E2ABw2YKVM[saga]
2012/08/01(水) 00:33:56.16 ID:DNGo6+BZ0
杏子「独り善がりの力なんて最強のわけねーだろ」

ほどか「ッ!!」

空中へ跳躍した杏子さんが赤い色の矛を構える。

西洋の騎士を思わせる朱に塗られた甲冑に全身を包み、フルフェイスの兜から目だけを露出させ、私をきっと睨み付ける杏子さん。
自身の燃えるような長い髪をなびかせて、そして、紅に燃え盛る翼を持って宙を舞う。

杏子「人の強さっていうもんはな、誰かと支え合って弱さを補い合ってそして、認め合って高めるもんだ」

杏子さんの矛の周りを火焔が螺旋状に渦巻く。
その様は全てを喰らい尽くし燃やし尽くす、龍の姿を彷彿とさせる。

杏子「お前みたいに自分の強さに依存して、そっから前へ進もうともしない奴に最強はついてこねーよ」

そう言い捨てた直後、杏子さんは赤き龍を解放つ。


杏子さんのもとから解放された龍は彼女の意思を受け取ったように、
まっすぐに私のもとへと咆哮をあげ向かってくる。

ほどか「こんな、もの――!!!」

今にも私を食い尽くさんと迫る炎龍の火焔を防ぐ為、
絶対防衛の名を冠するに相応しい鉄壁の盾を全面に展開。

ほどか(この盾を破ることは不可能――!)

あらゆる物理攻撃もその堅牢さを持って跳ね返す。
それが、私を守護するこの盾の役割。

だから、杏子さんの矛がどれだけ強力だろうと必ず私が勝つに決まっている。



杏子「よく、最強の盾と最強の矛のどっちが強いかっていうよな。あれ結局どっちのが強いと思う?」

ほどか「あの話に答えはありませんよ。強いていうならどちらも強く、弱いんじゃないですか」

答えが反発しあっているから矛盾。
あれはその意味をわかりやすく説明する為の故事だ。

杏子「いーや、答えはちゃんとあるさ」

そう言って、少し笑う杏子さん。
その笑みは優しい笑みでこの時代の杏子さんからは見たこともない慈愛に満ちた微笑みだった。




杏子「想いの強い方が勝つんだ――」



矛と盾のぶつかり合う爆音が響く。

守護者である盾はその身を焦がし、炎に包まれようとも私の身を守ろうと堅守する。
対して、炎龍にその姿を変えた矛は、守護者の腸を食い破ろうと咆哮をあげる。


ピシリ――。

なにかに亀裂が入る音が聞こえた。

ほどか「――!?」

刹那。鉄壁の守護者であるはずの盾が崩壊。

ガシャガシャと音を立て、それを断末魔の悲鳴とするかのように崩れゆく守護者。
そして、炎龍はその身を一片たりとも残さぬと、その破片にまで喰らい付く。

ほどか「う、そ――」

目の前から私の体を護る守護者が消え、視界が開ける。

眼前には燃え盛る炎。
しかし、その炎は真っ暗だった私の道を照らす灯にも見えた。


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