過去ログ - まどか「未来から来た私の子供!?」
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553: ◆Y9E2ABw2YKVM[saga]
2012/08/01(水) 00:47:41.77 ID:m2ltahhk0
―― 未来 ――
「まま―、そのりぼんかわいいねー」
「そう?」
娘が私の足にしがみつき、私の頭のリボンについて話し出す。
「うん! すっごくかわいい! まま、にあってる!」
「ふふ。ありがとう、でもこのリボンはもともとあなたの為に買ったのよ?」
「えぇー。わたし、しらないよー」
「そうね。あなたは知らなくて当然だわ」
娘の頭を撫でる。
急に頭を撫でられて驚く娘だが、すぐに幸せそうな、くすぐったそうな顔をして気持ちよさそうに目を細める。
「あの人遅いわね……」
時計を見る。
時刻は八時を過ぎており、普段ならとっくに帰宅しているはずの主人について考える。
「ぱぱおそいー」
娘もいつもより遅い主人に不満なのか口を尖らせ、ブーブーと不平を言う。
「今日はあなたの大切な日なのに、仕方ないパパね」
今日は娘の五歳の誕生日だ。
すでに部屋には誕生日の為の準備が施されており、後はプレゼントを買ってくるであろう主人を待つだけだというのに……。
「はぁ、こんな日に遅刻なんて相変わらずね……」
そういえば、プロポーズの日も、結婚式の日も遅刻してきたっけ。
「さやか達と遅くまで飲んでいたからなんて言い訳してたけど」
さすがに結婚式の日にまで遅刻はないと思う。
私は慣れているからよかったけど父なんてカンカンに怒っていたっけ。
まぁ、それはいいのだけれど、さすがにこの子の出産の日にまで遅れた時にはどうしてくれようかと思った。
「あの時はお義母さんが傍にいてくれたからよかったけど……。」
正直初の出産で不安だったのだ。
「もし、お義母さんが天誅を下さなかったら私がやってたわね」
この子が産まれて落ち着いた後、近所のゴミ捨て場でボロボロになって発見されたあの人を思い出す。
帰ってきた後の土下座は凄かった。
人って覚悟を決めたらあそこまでの土下座ができるのね……。
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