過去ログ - テッラ「困りましたねー」フィアンマ「言う程困ってもいないだろう」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2012/07/23(月) 21:55:22.66 ID:Th5B3rIR0
そんな事をぼんやりと思いつつ、テッラはフィアンマの髪を拭き終わり、タオルを片付けた。
そろそろ髪を切ろうか、などと考えながら、フィアンマは眠そうに目を細めた。
風呂上り特有のちょっとした眠気であり、湯冷めしてしまえば消え去るもの。
そうは理解していても、眠いものは眠い。フィアンマとて、少々人外のケが拭えないというだけで、人間な訳で。
フィアンマはベッドへ移動すると、どうするか悩んでいる様子のテッラを手招いた。
彼がいたく気まぐれで不安定であることを身をもって知っているテッラは、逆らう事無く近寄る。
そもそも嫌がったり抵抗する理由は一片たりとも無いのだが。
テッラ「はい?」
フィアンマ「枕元に座れ」
言われるがまま座ったテッラを見やり、脚を閉じるように言い。
ベッドに腰掛けたテッラの膝上に頭を乗せ、ベッドに横たわったフィアンマは目を閉じる。
このまま寝てしまっても構わない、と思っているのか、力の抜けた様子で。
日本人が一般的に想像しがちなそれとは少し違うが、これもまた膝枕の一つ。
男の、しかも肉のほとんどついていない膝枕では心地が悪いのではなかろうかと首を傾げるテッラの心配を余所に、フィアンマはゆっくりと呼吸を繰り返した。
眠ろうとしている時の、静かな息遣い。
フィアンマがこうして他人の前で無防備な姿を晒すことは希少だ。
テッラが盲目的にフィアンマを愛しているからこそ、そしてフィアンマがその事実を認識しているからこそ、このような状況が成立する。
安らいだ、というよりも疲れが出てしまっているような表情を見下ろし、テッラはそっとフィアンマの髪を撫でる。
だいぶ乾いてきた髪は柔らかで、さらさらとしていて、一切のクセが無く、透き通るような赤。
フィアンマ
燃える赤を司る彼は、その名の通り、燃え盛るような炎の如き情念を持っている時がある。
時に人を怯えさせるその執念は、現在何処にも向いてはいないが。
いつかその感情を自分に向けてくれれば良いのに、などと、分不相応な事を、テッラは考える。
彼はいつだって孤独で、孤高だ。もしかしたら、彼はそれで納得しているのかもしれないが。
テッラ(しかし、それでは寂しいでしょう)
フィアンマ「ん…」
もぞ、と身じろぎ、フィアンマは寝返りを打つ。
そしてテッラの腹部の方へ身体を向け横向きになると、表情を和らげた。
彼の過去に何があったのか、テッラはうっすらとしか、知らない。
ただ、彼の過去をたった少しでも知っている人間は、テッラしか居ない。
テッラ(死ぬまでに、貴方を理解してあげられれば、良いのですがねー。…しかし、そもそも貴方は、そんな事を望んではいないのでしょうね)
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