過去ログ - テッラ「困りましたねー」フィアンマ「言う程困ってもいないだろう」
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32: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/07/27(金) 15:51:06.41 ID:wS9gGHc90

フィアンマ「…散歩に行く」

唐突に宣言をすると、フィアンマは起き上がる。
長く赤い髪がテッラの右肩にかかった。
フィアンマは手を離し、適当に髪を一つに結わえると、テッラを見やる。
いつも通りの退屈そうな表情に他ならなかった。

フィアンマ「お前も来るか?」

テッラ「行っても良いのですか?」

フィアンマ「別にお前の行動を制限する理由も無いからな」

目元を指で二度程擦り、フィアンマは立ち上がって欠伸を噛み殺した。
靴をしっかりと履き直し、思い出したように言葉を続ける。

フィアンマ「ついでに護衛も兼ねてもらおうか」

テッラ「騎士ごっこですねー」

フィアンマ「姫などという可愛らしい人間ではないが、守ってくれるのだろう?」

自分の手を汚すつもりなど毛頭無いフィアンマは、返事の内容を予測済みで、そう問いかける。
その思惑に応えるように、テッラは返事をしつつ立ち上がった。

テッラ「騎士様のように華麗かどうかはともかく、全力でお守りしますねー」

フィアンマ「頼もしい事だ」







外に出ると、雨は止んでいた。
教皇領からは、それなりに空が、星がよく見える。
大聖堂から少し離れた場所で、ぼんやりと星空を見上げ、フィアンマは虚ろな表情が晴れた。

テッラ「…貴方は星が好きですねー」

フィアンマ「あぁ。…星だけは、何百年経過してもほとんど変わらん」

唯一自分を置いていかないんだ、と言外に呟き、フィアンマは星を見つめた。
どの星を見つめているのかは、分からない。

フィアンマ「……したら…」

テッラ「…?」

フィアンマ「…いや、何でもない」


夜はまだ明けない。


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