過去ログ - テッラ「困りましたねー」フィアンマ「言う程困ってもいないだろう」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2012/07/30(月) 23:33:31.35 ID:5wHxzcoN0
深夜。
寝付けなかったフィアンマは、一人、『奥』でぼんやりと自分の人生を振り返っていた。
楽しいことも、気を許せる人間も、誰一人居なかった。
いや、もしかしたら居たかもしれないが、死んでしまった。
フィアンマ(……――――――)
今代の『左方のテッラ』の名を心中で呟いて、フィアンマは虚ろな表情で思う。
これ以上期待をして何になるのだろうか。
どうせ彼も死ぬのだから、傍に居て欲しいなどというこの感情は払拭すべきなのではないか。
そんなどうでもいい思考で時間を潰し、フィアンマはやがて思考を放棄した。
思考すら面倒になってしまった、と、そういう訳である。
フィアンマ「……別に、何も望まない」
何かを望めば、何かを失う事になる。
喪失感はいつまで経っても自分の心に傷や悲しみを残していく。
それならばもういっそ、全て諦めてしまったほうが。
しかし、そう割り切ってしまえる程、フィアンマは人間を捨てていなかった。
フィアンマ「……独りになるのが、嫌なだけなんだ」
独り言を部屋の中に響かせ、フィアンマは俯く。
前代のヴェントを喪ったショックが、まだ心の中で幅を利かせてしまっていて、どうにもならない。
期待の裏には絶望がある。失望がある。悲哀がある。
そうとわかっていて、だがしかし、希望を捨てられない。
フィアンマ(…チェスでもするか)
フィアンマはのろのろと立ち上がり、チェスセットをセットし始めた。
戦術に没頭してしまえば、個人的な感情は一時的に放置出来る。
全て並べたチェスセット、一人で静かにチェスを開始しながら、フィアンマは黒のキングを見つめた。
一人ぼっちの王様。
周りの駒は死んでいくばかり。
自分は絶対に死ねないのだ。
フィアンマ(……、…どうして、俺様はこんな身体に産まれてきてしまったのだろう)
久方ぶりに、彼は、世界を恨んだ。
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