過去ログ - テッラ「困りましたねー」フィアンマ「言う程困ってもいないだろう」
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60: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/08/05(日) 18:40:04.26 ID:Mo1bhrZ+0


前方のヴェントは見事に敗北した。
惨めにも、気絶した状態でアックアに回収され、今は療養中となっている。
考えたくもない事態が本当に起きてしまった。

フィアンマ(神はそんなにも俺様が憎いか)

不快感を堪え、無表情で淡々と、フィアンマはテッラに命令した。
『C文書』。
ローマ正教の誇る『聖霊十式」の一つ。
「世界中の人に宣言したことを強制的に『正しい』と信じさせる」というもの。
ただしここでいう『正しい』とは『ローマ正教にとって正しい』ということだ。
しかし、ローマ正教徒は世界総数二○億を数える。
世界各地で容易に暴動が起こせてしまう、恐ろしい品だ。

フィアンマ「…手早く済ませ、早く戻れ」

テッラ「勿論ですねー」

のんびりとした口調に目を細め、フィアンマはぽつりと、呟くように言った。

フィアンマ「…俺様の期待を、裏切ってくれるなよ」

テッラ「はい」

にこ、と穏やかな笑みを浮かべて、霊装の調整を始めるテッラを見つつ、フィアンマは静かに祈っていた。
これ以上、いくら神とはいえど、自分から何も奪わないで欲しい。
これまでに充分、痛い思いも苦しい思いもしてきたじゃないか。
もう良いだろう。



テッラは黙々と準備を済ませ、一度深呼吸した。
自分とフィアンマが至るであろう『神聖の国』で争いが起きないよう、人を正しく導く。
争いが起きて、フィアンマが悲しい顔をするのはもう見たくない。
人々を平等に救い、否、少なくとも無事帰ってくれば、きっとフィアンマは安堵の笑みを浮かべてくれる。浮かべられる。
ヴェントは療養中。アックアは控え。
フィアンマが直接危機に晒される事は無いとわかっていれば、心配することなく行ける。
必ず戻って、フィアンマに会う。そして、帰還を喜んでもらう。
ひとまずの目的をしっかりと設定し、テッラはアビニョンへ向かった。




フィアンマは自らの長い髪を一つに結わえ、私室のベッドに腰掛けたまま、低い声で呟く。

フィアンマ「……、…もう、独りにしないでくれ。…帰ってきてくれ。お前が居てくれるなら、俺様は、…」



「もう、なにものぞまないから。かみさま、」


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