過去ログ - テッラ「困りましたねー」フィアンマ「言う程困ってもいないだろう」
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62: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/08/06(月) 04:16:32.60 ID:oWEq1YoZ0

熾烈な戦いをどうにか生き抜いたテッラは、バチカン、聖ピエトロ大聖堂内を進んでいた。
歩幅は一定で、ゆとりのあるリズムだった。彼自身の精神性を表しているかのように、のんびりと。
気持ち的には駆け出したい位ではあるものの、焦らずとも、フィアンマに会う事は出来る。
『C文書』は損壊してもう回収出来ないが、『光の処刑』に関する手応えは多少感じられた。
また照準調整という少々面倒な作業は必要となるが、新しい可能性は見いだせたかもしれない。
フィアンマは今回の帰還を喜んでくれるだろうか。
作戦として多少の失敗は否めないものの、どうにか微笑んでくれると嬉しいのだが。
ロシア成教と正式に手を組む事も決定した。
これで、ローマ正教の名誉挽回、もとい、フィアンマを守る為の磐石な姿勢は築けたも同然。
ローマ正教徒、その中でも特にフィアンマを大事に思うテッラという男にとって、その事実だけで構わなかった。
テッラはただ、フィアンマの幸福を祈っている。

様々な事を思考しつつ帰ってきた実感と思考の海に浸っていたテッラの前に、一人の男性が現れた。

アックア「テッラ」

テッラ「ああ。アックアですか…」

会話の為に思考を中断するのは面倒だと思ったが、一応は返事をしつつ、テッラはアックアを睨みつける。

アックア「その様子だと、C文書は失われたようだな」

テッラ「ええ」

アックアの言葉に対し、テッラは悪びれる様子もなく、あっさりと認めた。

テッラ「例の幻想殺しを使われましたので、回収は難しいでしょうねー」

アックア「それにしては、随分と上機嫌に見えるのだが」

テッラ「はは。アックア、そちらにも話は行っているんじゃないですか」

うっすらと。
微笑みながら、テッラは言葉を続ける。

テッラ「ロシア成教が、正式に我々と手を組む事に決定したと」

アックア「…我々はローマ正教徒である。本来ならば他宗派からの協力にそれほどすがるのは感心しないのだがな」

テッラ「ふふ。あくまで利用するだけですよ。向こうもそう思っているでしょうし」

テッラの表情は余裕そのもの。
折れた様子は見当たらない。

テッラ「今回のC文書の一件で、学園都市とイギリス清教は秘密裏に手を組んで行動しました。まぁ、もちろん、双方ともにそれを認めるようとはしないでしょうけど」

アックア「しかし重要なのは、その事実を知ったロシア成教がどう思うか、か」

テッラ「既に学園都市とイギリス清教とのあいだにはある種のパイプが築かれています。そこへ新参者のロシア成教が協力を申し出たところで、甘い蜜を吸えるとは限りません。この『戦争』において勝利者の利益を求めるロシア成教としては、科学サイドが勝ったところで自分達は面白くない……そう思ってしまったんでしょうねえ?」



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