過去ログ - テッラ「困りましたねー」フィアンマ「言う程困ってもいないだろう」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2012/08/06(月) 04:17:30.06 ID:oWEq1YoZ0
暗い私室のベッドの上。
右方のフィアンマは、昔の思い出をそのまま繰り返すような夢を、視ていた。
テッラ『困りましたねー』
土砂降りの中、テッラがぼやく。
外に出てきたのはいいものの、傘は手元に無く。
テッラの傍らで、フィアンマは退屈そうに空を見上げた。
二人揃って、大雨に辟易としながら、とある軒下で雨宿りをしつつ、ぼやいている。
フィアンマ『言う程困ってもいないだろう』
テッラ『いや、濡れても確かにそうそう風邪は引きませんが…』
フィアンマ『まぁ、別に構わんがね。俺様はこのままでも』
素っ気なく返して、フィアンマは欠伸を噛み殺す。
昔の夢だから。
仕事は特に無い状況であり、無理やりに帰る必要も無い。
テッラははしばらく悩んだ後、『設定』を『変更』した。
そしてフィアンマの方を見やると、優しく微笑みかける。
フィアンマは、呆れたような表情を浮かべた。
フィアンマ『そんな事に『光の処刑』を使うなよ。くだらん』
テッラ『貴方が濡れて風邪を引くよりはマシですねー』
フィアンマ『…未だに『あの日』の事を前提として、俺様の事を判断しているのか? 何年前の事だと思っているんだ』
テッラ『何年経過しても、貴方は私にとって大切な人です』
フィアンマ『…そうか』
俺様にとっても、そうだよ。
そうは言えないまま。
ふ、と口元を弛ませ、フィアンマは外へと踏み出した。
大雨の中にも関わらず、身体が濡れる事は無い。
テッラが『人体』を上位に、『自然現象』を下位に、一時的に設定したからだ。
二人は友人ではない。そんな軽い間柄ではない。
テッラにとって、フィアンマは命の恩人であり。
フィアンマにとって、テッラはかつて救った子供。
互いにとって、互いは同僚だった。あの時は。
今は違う。
恋愛という甘酸っぱい響きではないけれど、フィアンマにとって、テッラはかけがえのない人物となっていた。
優秀な魔術師として、天使に近い身体を持つ二人は、そのメルヘンな響きとは裏腹に、纏う雰囲気以外はいたって普通の人間で。
怪我をすれば血も出るし、日常生活の中で食事だって普通に摂取する。
フィアンマはそうそう死なないけれど、テッラは殺されればあっさりと死んでしまう。
どうか無事に帰ってきますように、とフィアンマは祈った。
神はその願いを聞き届けてくれた。
実に、残酷な方法で。
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