過去ログ - 天海春香「私のプロデューサーさん」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/07/22(日) 00:06:21.33 ID:ze0PAYTP0


それでも、オーディションには勝てなかった。

プロデューサーが変わって初めてのオーディション。

頑張って、頑張ったけど、届かなかった。



終わった後、申し訳なくて、情けなくて、動けなかった。

「ごめんなさい…」

声がかすれる。涙で視界が歪み、プロデューサーさんがどんな顔をしているか分からない。

「春香」

声が優しい。それで逆に、もっと情けなくなる。

こんなに色々してもらって、それでもダメな私。

もういい。才能がない。努力したって、無駄だったんだ。

じわじわと、黒い考えが胸の中にこみ上げる。

こんなんだから、前のプロデューサーも嫌になったんじゃないか。

もう、辞めてしまったほうがいい――

「明日暇?」

「…ふえ?」

何とも情けない声が漏れた。プロデューサーさんは何を…。

「明日オフだよね。日曜だし。春香、ちょっと付き合ってくれない?」

「え、はい、いいですけど…」

「良かった。今日は残念だったけど、すぐ勝てるようになる!その為にも、明日は絶対来てね!」

ニカっといつもの笑顔。

私は、「は、はい」と返事するのが精一杯だった。


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