197: ◆hdSJbJZZTU[saga]
2013/03/02(土) 07:38:05.47 ID:QMvy4s0Y0
一方通行は静かに電極のスイッチを切り替えた。
こめかみのあたりにチリチリとした痛みを感じる。
やはり能力は使えそうも無い、と判断する。
一方(……『使えそォもねェ』はずなンだがな)
自分でした行動を覚えていないとか、そうではなく。
彼はちゃんと覚えている。
その上で、理解ができない。
いつもなら”反射”をしている誰かの意図があったとしか。
一方通行は固定されて動かない――動かせないマネキンの首を見て、思う。
一方(あれは、何だったンだ?)
ソレと目が合った時に一瞬だけ垣間見えた光景を思い出す。
どこまでも白く、上も下もないような風景。
そこに自分しかいないような、孤独を。
一方(ロシアで見た雪原にも似ていたが……違ェか。雪じゃねェな)
これから紡がれていくだろう世界の始まりのような『白紙』の空間――、そんな印象があった。
それが何なのか、と問われれば答えることはできないだろう。
一方通行は夢だったのだろうと結論付け、打ち止めの許へと歩き出した。
347Res/236.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。