260: ◆hdSJbJZZTU[saga]
2013/07/22(月) 17:10:25.66 ID:pobtVqus0
扉の前。
案の定鍵がかかっていた。
落ち着いて深呼吸をする。
そうして彼は、手汗をかいていたことに気づく。
心臓が締め付けられそうになっていたことに気づく。
彼は、そうやく振り返った。
そこには、誰もいなかった。
『妹達』など、存在しなかった。
あの部屋に在った、青い人形が無造作に転がっているだけだった。
一方「……なンだよ」
「やっぱり、偽りじゃねェか」
壁に書かれた文字を見つける。
『連れていけ』
そいつの横には、ご丁寧に鍵が落ちていた。
一方「断る」
青い鍵を拾い上げ、手早く鍵を開ける。
背後から声がした。
『永遠に ここにいろ』
ツクリモノの声で言った。
マガイモノは嗤っている。
ニセモノには用はない。
無視して、扉を開いた。
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