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2012/07/24(火) 12:08:55.68 ID:d42ujU9K0
◆◇◆◇◆
時は流れたが、変わる事もあれば変わらない事もある。
父は相変わらず破天荒に世界を飛び回る、あやしさ100%のおじさん。
母は相変わらずアルコールに白星を上げることが出来ない、駄目……というか残念な大人。
美琴は小学校低学年の時にはすでに両親のもとから離れ、学園都市で生きることを選択していた。
学園都市に来た理由は単純だ。
ただ単に超能力と言うものに憧れを抱いたから。
かつて、金平糖のつまったビンに心が奪われたように、超能力と言う新たな宝物に目を奪われてしまった。
能力開発を受け、美琴は『電撃使い』と分類される事となる。
「御坂さん。こう人さし指と人さし指を向かい合わせて、そこに意識を集中させて……」
開発担当の研究員の言葉を思い出しながら、深夜、布団にくるまり能力を行使した。
パチッと小さな弾ける音。
「わっ!」
一筋の紫電が指の間を駆け巡る。
瞬時に脳裏に浮かぶ景色。
暖かい眠りの中で聞いた『満天の星空が大好き』の囁きと彼女の横顔。
それはきっと、何処かの誰かの大切な人。
「……」
「……」
「……、お星さま、みたい」
紫電に重ねるのは、空に散らばった無数の金平糖。
いつか。
いつか、もっともっと。
金平糖のような、キラキラひかる星のような光を、空いっぱいに浮かべる事が出来るようになれば。
美琴のお星様――美琴の大切な、掛け替えのない人達は喜んでくれるだろうか。
「……うん」
「がんばって、みようかな」
自他ともに認める愛多き女がこよなく愛するものは、
多分、自分でも父でも。
勿論、アルコールでもない。
きっとそれは、金平糖が散らばった満天の星空に違いないのだと、一四になった美琴は今でも信じて疑わない。
ポツリと呟いた決意こそが、美琴の超電磁砲へとスタートだった、と。
彼女は今にして振り返る。
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