過去ログ - 超電磁砲は夢をみない
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17:
2012/07/24(火) 12:21:23.40 ID:d42ujU9K0
◆◇◆◇◆

学年が上がろうと、学校が変わろうと、少女達が集う秘密基地は変わらない。
白井黒子が通う常盤台中学と、佐天涙子と初春飾利が通う柵川中学のほぼ中間地点にその店は在った。
第七学区の某有名ファストフードチェーンのお店の一角が、美琴達のお決まりのたまり場である。

一年近く通いつめると、注文するメニューも定番化してしまうものだ。
それぞれが好みの飲料を頼み、他には特大サイズのポテトを一つ注文して、 均等にそれを山分けするのが暗黙のお約束事項だった。

店側からしてみれば小さめのサイズを人数分購入する方が良いに決まっているのだろうが、
どれだけ小さかろうと、一つのもの一人で完食してしまうのは、大変心苦しい行為に思えて仕方なかった。
総合的に摂取する量が同程度でも、「皆で分け合って食べた」という事実(言い訳)が乙女心には必要で。
『ダイエットは気になるけど、まあ、皆食べてるし』なんて現実逃避くらい見逃してほしい。

よく言うじゃあないか。赤信号みんなで渡れば怖くない。

「うう〜…、受験なんてモン、滅んでしまえばいいんだ」

投げやり気味にテーブルの上に突っ伏した佐天は、配分されたポテトをもしゃもしゃと頬張りつつ、恨み節を溢す。
彼女の片手には担任から授与されたばかりの成績表がぐしゃと潰された状態で握られていた。
 
先刻まで教室の中で『ビバッ! 夏休み!』と浮かれていた佐天の姿をこの場で知るのは、クラスメイトの初春のみ。
 
学生生活からは開放されても受験生活からは逃れない。
悲しいかな、中学三年生。
夏休みへの高翌揚は成績表という名の現実を見た瞬間に飛び散った。
 
受験までラストスパートと言えるこの時期で躓くのは手痛いだろうに……、と、迎えの椅子に腰かける白井と初春が同情の視線を佐天に向ける。
唯一、一足先に受験地獄から抜け出した美琴だけが、呑気な口調で佐天の話に耳を傾けている。



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