過去ログ - 番外個体「やっほうくたばりかけの第一位」2
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25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga]
2012/07/29(日) 20:08:35.60 ID:oaxymMpn0

自転車に二人乗りをする男女。今時そうそうみないであろう少女漫画の一ページみたいなことを二人は実行していた。
自転車を漕ぎながら辟易している一方通行とは逆に、鼻歌を歌っている番外個体はよほどご機嫌らしい。得意の毒舌もどこへやったのか、今はしきりに背中へ頬擦りしてくる。それと同時に彼女の豊満な胸も背中にあたるので正直やめてほしいのだが。

「ついたぞ」

「えー。ミサカもっとこうしてたい」

「……はァ」

どうせ無理やりやめさせたら拗ねられることは目に見えているので好きにさせておくことにした。ああ、周りの目がいたい。
端からみたら酔狂なカップルなんだろうな、と一方通行はため息をつきたくなった。

「あのね」

抱きついたまま、番外個体が話しかけてくる。

「ミサカね、学校に行けないから。クローンだから。だからね、こういうことしたかったんだ」

僅かに寂寥を含ませながら、番外個体はたどたどしく己の胸中を言葉にして吐き出した。
ン、とだけ返す。先を促すように。
それを感じた番外個体は、ほう、とため息をついた。

「……黄泉川の家にあったんだよね。幸せそうなカップルがこんなことしてる漫画。学園ものってヤツ? キラキラした絵柄でさ。ミサカにはちょっとキツかったかな。……まるで、一生手に入らないものを見せつけられているみたいで、さ」




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