過去ログ - 咲「野球って楽しいよね。安価でいっしょに楽しもうよ!!」 十六本場
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/07/25(水) 04:07:16.54 ID:CJyEzyJgo
聖地、阪神甲子園球場で迎えた初戦
先発南浦が大量失点、打線も勢いを見せず惨敗だった
スタジアムに響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年も白糸台だな」の声
無言で帰り始める選手達とは別の場所、昨年の5位打者愛宕は独り病室で泣いていた
姫松で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・
それを今の清澄で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃええねん・・・」愛宕は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、愛宕ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってトレーニングをせなあかんな」愛宕は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、愛宕はふと気付いた

「あれ・・・?お客さんがおる・・・?」
ベンチから飛び出した愛宕が目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのように清澄高校野球部の応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする愛宕の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「ヒロエちゃん、守備練習や、早く行くで」声の方に振り返った愛宕は目を疑った
「あ・・・荒川憩?」  「なんやアタゴ、居眠りでもしてたんか?」
「お・・・園城寺トキ?」  「なんだ愛宕、かってに園城寺さんを引退あつかいとは」
「宮永さん・・・」  愛宕は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1番:宮永照 2番:宮永咲 3番:荒川憩 4番:上重 5番:園城寺 6番:愛宕洋榎 7番:鹿倉 8番:薄墨 9番:対木
暫時、唖然としていた愛宕だったが、全てを理解した時、もはや彼女の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんや!」
須賀からグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走する愛宕、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、病室で冷たくなっている愛宕が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った


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