過去ログ - P「拙者はぷろでゅーさでござる」
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26:>>1[sage]
2012/07/29(日) 13:36:57.31 ID:rxNWLLFR0

 ふわりと浮く私の身体。

 後方の座席へと移動して貴音は何やら唱える。

 広がる蒼い火。私達を包みまるで何かから守るように展開した。

 到底信じられない光景。

律子「た、貴音。貴方……」

 貴音に視線をやれば、彼女は妖艶な笑みを浮かべて小さく唇に人差し指を置く。だが、すぐにまっすぐと真剣な眼を前方に向けた。

 私も釣られて見る。

P「猿殿。消えたくなかったら、去ね。」

 高圧的なプロデューサーの態度。後方に避難している貴音と私がごくりと生唾を飲むほど迫力があった。

 キッキッキッキッキ
 
 だが、からかうような歯ぎしりの音が響く。小人の猿が宙に浮いて手足をばたつかせている。何かを伝えたいようだ。すると前方の運転手がくるりとこちらを向いた。

律子「うっ……!」

 途端に広がる腐臭。そして運転手の顔を見た時、私は思わず顔を歪めた。

 ぶくぶくと醜い顔。だらしなく舌は垂れ、むき出しの歯肉。鋭い歯は血に濡れ、笑っている。顔は腫れ上がっているがなんとかその原型が猿だということくらいはわかった。

律子「気持ち悪いっ……!」

 思わず声を漏らしてしまった。

 グハァー!ぐえぇえええええええええええ

 先ほどとは打って変わって低い音が響く。

 周りの猿どもが忙しなく動いて、さらには運転手が大きく上下にジャンプする。怒りに歯を震わせながらこちらを指さした。

 [ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー]!

 そんな言葉が響いた。

P「……どうやら怒らせてしまったようでござるな」

貴音「律子嬢……」

律子「わ、わたし!?し、仕方ないじゃないっ!本当に気持ち悪いんだもの……」

 
 ぐえええええええええええぇ!


 更に響く低音。強い風が吹き荒れる。

P「仕方ないでござる。まぁ元々そのつもりだったが……」

 やれやれ、と首を振り。持つ刀を一振り。それだけで風が止んだ。

 そして何も言わず構える。それだけですべて物語っていた。
 



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