過去ログ - 【まどか☆マギカRPG】宇宙魔法少女キョウコ☆マギカ【３～宇宙へ　編】 -SS速報VIP

過去ログ - 【まどか☆マギカRPG】宇宙魔法少女キョウコ☆マギカ【３～宇宙へ　編】

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47: ◆Rf40X2USO7Yr[saga ]
2012/08/01(水) 23:51:18.65 ID:gOVSdT9AO
［魔法少女技術研究所～中央研究棟　十二日目］

「こういう話があるんだ」

　いつもの音楽的な声でQBは続けた。

「これは、今よりずっと昔のことらしくてね。ほとんどおとぎ話のようなものなんだけど、事実に基づいていることは間違いない。一人の女の子が、まああいにく素質には恵まれていなかったらしいんだけど、ふとしたことから二人の魔法少女に助けられて、自分でも契約を考えるようになった」

　アタシの目の前に、一瞬何かの幻がちらついて消えた。サヤカのほうを見ると、サヤカの顔にも奇妙な表情が浮かんでいた。ずっと遠いどこかにあるものに呼びかけられて、聞き耳を立てているような表情。

「ところが、その二人の魔法少女は、強力な魔女に襲われて、その女の子をかばって死んでしまった。もし自分が契約していたら、その死を防げたのではないかと考えた女の子は、契約して時を遡り、その出会いをやり直す決意をした。でも、それはうまくいかなかった。やり直しても、結局その子は二人を助けることができなかったんだ。そこでその子は、自分の魔法の力を使って、もう一度さらに時を遡った」

　鮮やかな黒い長い髪と。紫に縁取られた服と。全てを見透かしたような冷たい眼と。

　お前はいったい、誰だ？

　アタシはぶるっと身を震わせた。白昼夢、だろうか？

「面白いのは、この点なんだ。彼女は何度も時を遡っているけど、その度ごとに世界では違うことが起き、歴史が書き変わっている。まるで書き変わる前の歴史なんて最初から起こらなかったかのようにね。でも、彼女だけは、それが起こったことをちゃんと覚えていたんだよ」

「覚えていたのは…」アタシがさっきの幻を振り払うように言いかけた。

「そうだよ。彼女が魔法少女で、その魂は、ふつうの時間の外に出ることができたからさ。世界の誰も知らない歴史は、彼女の魂の中にだけ、書き込まれていたということになるんだ」

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