過去ログ - 照「清澄にも麻雀部はあるのか・・・」【咲-saki-】
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342:tell you that I love ...(5-2)[saga]
2012/09/08(土) 00:59:26.74 ID:sPpHQ6cU0
泣きたくなる・・・
今更ごまかしたって、もう遅い
それでも逃げるように、うつむく

でも・・・

すっとぬくもりが消えた

「え?」

無意識にそのぬくもりを求めて、また顔を上げる
宥は笑って、膝をぽんぽんと大げさに叩いた

「照ちゃん、膝枕」
「え?」
「怜ちゃんが言ってたよ。辛い時は膝枕が一番だって。だから、どうぞ」

その辛いとこの辛いは違うような気もするけれど・・・
私は三日三晩彷徨ってようやくオアシスを見つけた放浪者のように、ふらふらと宥の隣に座り、膝に頭を落とした

ふわっと、宥のにおいがする
落ち着く・・・

「話したくないなら、話さなくていいからね」

宥が私のあたまをなでてくれる
ああ、私、誰かに甘えたかったのかな・・・

「宥、私、どうしたらいい?」
「何があったの?」
「よく分からないけれど、私に負けてほしい人がいるんだって。それで、真瀬さんに、クラス対抗戦に出るなって言ってきてるらしくて」
「そっか、そんなことがあったんだ」

私の髪を、宥の細い指先が泳いでいく
それが気持ちよくて、私はどんどんと自分を囲んでいた去勢という名の砦が崩れていくのを感じる

「意識しないようにしてたけど、どこかで負けた方がいいのかなって考えたりして」
「1人で抱え込んだら、ダメだよ」

見上げると、宥がとても頼もしくみえた

「苦しいことは割り算、2人なら半分になる。楽しいことは掛け算、2人なら倍になる。だから、ね、1人で抱えてもいいことないよ」
「でも私は、どうしたら・・・」
「勝てばいいと思うよ。だって、直接照ちゃんに、負けろって言いに来た訳じゃないんでしょう?」
「それはそうだけど、真瀬さんみたいに他の人に迷惑が掛かるかもしれない。もしかしたら宥にだって」
「大丈夫だよ、大丈夫」

いつも1人でいようとする私・・・
姉として、チャンピオンとして、ふさわしい振る舞いをしなければならないと一生懸命に、ただ自分の逃げ場を塞いでいただけだったのかもしれない

「ほんとに、大丈夫かな・・・」
「大丈夫だよ、安心して」

宥の手も、ふとももも暖かくて

「私、誰かを頼ってもいいのかな・・・」
「むしろ私は、誰にも頼られないで、守ってもらってばかりの方が辛いかな・・・」

ああ、なんだ、そういうことか

「私が宥を頼りにすれば、それで解決する話なんだね」

だから惹かれて

「うん、まかせて」

だから意識したんだろう

「しばらく、このままでいさせて」
「どうぞ」

スカート、濡らしちゃうけどごめんね・・・・


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