過去ログ - 照「清澄にも麻雀部はあるのか・・・」【咲-saki-】
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824:tell you that I love ...(8-6) ◆oeEeLVGR7U[saga]
2012/12/09(日) 22:08:45.77 ID:QTE/C41y0
-side 霞-

残りは26400点
ずいぶん削られたものね

でも自分の点棒にはそれほどの意味はない
ただ0になってしまえば対局が終わってしまう

いや、それさえも、3−1が勝つためなら失ってしまっても構わない
誰も、3−2の勝利など望んでいないのだから

「じゃ、後半もよろしくねっ」

大星さんがそう言って対局室を出ていく
それに続いて、姉帯さんと天江さんも出ていった

私には帰る場所はない
本当に、どうしてこんなにバラバラになってしまったんだろう

宮永照を倒すために集められたなんて話を耳にしなければ、普通に接することができていたんだろうか?
今となっては、そんな仮定に意味はないけれど

しばらく座っていると対局室の扉が開いた
もう誰か戻ってきたのだろうか?

「霞ちゃん」

入ってきたのは小蒔ちゃんだった・・・・

「あらどうしたの? 天江さんならもう出て行ったわよ」

その瞳を見れば分かる
小蒔ちゃんの目的が天江さんではないことなど

「違います。私は霞ちゃんに会いに来ました」
「あらそうなの?」

言いたいことなんか分かっている
悟られないように支援するなど、この大将戦の面子では至難。結局バレてしまったのだろう、私が勝つ気がないことは

私はこれ以上小蒔ちゃんの瞳を直視できなかった

「どうして本気で、全力で戦ってくれないんですか!」

小蒔ちゃんにしては珍しく語気を荒らげる

「みんな強くてね。これでも頑張ってるんだけど」

それでも、私はとぼけ続ける
分かっている、こんなのはただの現実逃避

でもその退路を、小蒔ちゃんはどんどん塞いでいく

「嘘です。あの南のカン、普段の霞ちゃんなら絶対にしません」
「あれは天江さんの海底を警戒して・・・」
「本当に、国士よりも警戒すべきでしたか?」

国士を狙っているのは分かっていた
ほぼ張っているのも分かっていた

国士振り込みと天江さんの海底の両天秤、しかし天江さんはあの時親番だった。連荘警戒はありえない範囲ではないはず
そう理論武装するつもりだった

でも、小蒔ちゃんの視線はまるで私の心の奥底まで見透かしているような力に溢れていた

私が押し黙ると、小蒔ちゃんは続ける

「答えてください。どうして全力を出さないんですか?」

ここで答えていいのだろうか?

宮永照を倒そうとする大人たちへの、せめてもの当てつけです・・・などと


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