過去ログ - 照「清澄にも麻雀部はあるのか・・・」【咲-saki-】
1- 20
940:tell you that I love ...(8-7) ◆oeEeLVGR7U[saga]
2013/01/25(金) 22:37:59.90 ID:y6WeG5Yq0
-side 理沙-

「電車、来る!」
『おおう。よし、殴ってでも引き止めてくれ!』

三尋木さんからの電話を受ける
ホームには電車の到着を知らせるアナウンスが流れる
どうしよう、殴ってでも止めるなんて・・・

「じゃあ、お疲れさまでした」

小鍛治さんはもう電車に乗り込む気まんまんだし、私がなんとかしないと

「・・・行かないで!」
「そういうわけには、いかないので」
「じゃあ殴る!」
「ええええっ」

ああ、思わずとんでもないことを言ってしまった気がする。でもとにかく止めないと
私は思いっきり右腕を上げた

「ちょっと、ほんとに殴る気ですか!?」

小鍛治さんが怯えて体を半歩後ろにそらす。私はそのまま右腕を振り落とした
目をつぶって両手で頭をガードする小鍛治さん

よし、視線がそれたっ

私はそのまま小鍛治さんに抱きついた

「え、ええっ」
「捕まえた!」
「離してください、電車が来ちゃう」
「離さない!」

私から離れようとするけど、私は目一杯抱きついて小鍛治さんを逃がさない
電車が到着すると、降りてくるお客さんの視線を集めるけれど、今はそんなことを気にしている余裕はない

必死に抱きついて、なんとか小鍛治さんを電車に乗せないことに成功した
電車が行ってしまったので、私は小鍛治さんから離れた

「野依さん、どうしてここまでするんですか・・・」
「さみしいから!」
「さみしい?」
「そう、さみしい・・・」

訳も分からず学校を辞めてしまって
久しぶりに会えたのにゆっくりもできずに帰っちゃうなんて、さみしい

「野依さん! ほら、いくのん、すこやんいるぞ!」

振り返ると、改札口から三尋木さんが赤阪さんを引っ張ってくるところだった
小鍛治さんが、小さくため息をつく

「気まずいなぁ・・・」

きっと言えない理由があって辞めっちゃったんだろうけど・・・
そんなの、周りはそこまで気にしたりしないのに

「ほらいくのん、とっとと顔見せなって」
「やから、どんな顔したらええかわからんってゆうとるのに」

赤阪さんが三尋木さんの後ろに隠れようとするけれど、小さな三尋木さんじゃ隠れようもなくて・・・

赤阪さんは、ほんとに複雑な表情を浮かべていた

泣きたくもあり、笑いたくもあり
悲しくもあり、怒りたくもあり・・・

「野依さん、ありがとな。それでさ、ちょっと2人きりにしてやってくんね?」

三尋木さんが無理やり赤阪さんを小鍛治さんの前に押し出した

「分かった!」

きっと、2人の間に特別な事情があるのだろう

「2人とも、頑張って!」

こんなことしか言えないけれど。2人の表情を見てたら、次の電車が来るまでのわずかな時間だけかもしれないけれど、それが貴重な時間になるのは分かるから


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1003.94 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice