過去ログ - 照「清澄にも麻雀部はあるのか・・・」【咲-saki-】
1- 20
956:tell you that I love ...(8-7) ◆oeEeLVGR7U[saga]
2013/02/12(火) 00:03:48.32 ID:qv6IIvio0
宥が私の指を捕まえた手で、今度は指を絡めてくる
ああ、恋人繋ぎってやつだ・・・

「ねえ、照ちゃん」

こたつだからあったかいのか、宥の手に包まれているのかよく分からないまま
それでも、私はギュッとにぎりかえす
まるで手がしびれてしまったかのように、ジンジンとする
それが心臓にも伝わって、今度はドクドクいい始めて・・・

「なに、宥?」
「キス、していい?」

宥は顔を真っ赤にしていた
私もつられて真っ赤になっていることだろう。もう顔が熱くなりすぎてよく分からない・・・

「あ、改めて言われると緊張しちゃう・・・」
「突然初めて奪っておいて、そんなこと言うの?」

あ、初めてだったんだ・・・

「そんな言い方、ずるい…」
「ごめんね。だから、仕返し」

ゆっくりと、宥の唇が近づいてくる
宥が瞳を閉じるのにつられて、私もゆっくり目を閉じた

繋がった手を、さらに強く握り締める

そして――

「おねーちゃん、いるー? 優勝おめでとう!」

いきなり扉が開く音がした

・・・え?

「って、あれれ・・・」
「玄ちゃん、お部屋に入るときはノックしてっていつも言ってるでしょ!!」

目を開けると、扉の向こうで立ち尽くす玄ちゃんがいて・・・
宥は顔を真っ赤にしたまま、その玄ちゃんを怒鳴っていた

「あ、えっと、おねーちゃんと、チャンピオンが、キス?」
「玄ちゃん、これは、その」

慌てる宥は言葉がうまく紡げていない
私もなんと言っていいのか、頭が真っ白になってよく分からない

もうすでに3年の何人かには、私と宥がそういう関係だって知られているわけだし、今更慌ててもしょうがない
というのは、しばらく経ってから思ったことで

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

バターン!

大声をあげて、玄ちゃんは勢いよく扉を閉めた
声が遠くなっていく。どこかへと走り去ってしまったようだ…

「あ、玄ちゃん!」
「どうしようか、これ・・・」

寮は広いようで狭い、なんて話を聞いたことがある
特に噂話なんかはあっという間に広まるらしい・・・

「とりあえず、追いかけてみる?」
「そ、そうだね・・・」

その時にはもう、いろいろと手遅れだったけれど・・・


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1003.94 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice