過去ログ - 照「清澄にも麻雀部はあるのか・・・」【咲-saki-】
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981:tell you that I love ... (Epilogue) ◆oeEeLVGR7U[saga]
2013/02/24(日) 16:26:05.06 ID:wh5IVdvA0
ふと外を眺める。ビルが立ち並ぶ。こういうのも、悪くないけど・・・

「長野の方が景色は良かったかな」
「それはしずが喜びそうだね。こっち来てから山が足りないって嘆いてるしね」
「あはは、山不足とか聞いたことないよ」
「今日も自転車でどこか出かけてるんじゃないかな」

穏乃ちゃんは元気だからなぁ・・・

「あと、淡と和が最近仲がいいみたいだよね」
「和ちゃんのこと師匠って呼んでるの聞いてビックリしちゃった」

うん、淡ちゃんはすごいと思う・・・

お姉ちゃんに中学の時に負けてから、様子見して強くなるってイメージを形にできるだけの力があって
でも、それをあっさり捨てて新しい自分のスタイルを身に付けようとしている

私も、そんな風になれるのかな・・・
いままで自分を守るために続けてきた±0を止めて、勝つために打ちたいって思うけれど
また何かのきっかけで、±0にしてしまうかもしれない

「咲、どうしたの?」
「ううん、なんでもないよ?」
「・・・・何かあったなら、相談に乗るよ?」

憧ちゃんがじっと私を見つめてきて・・・

「うん、そうだね・・・」

憧ちゃんなら、こんな私の不安も、受け止めてくれるかな・・・

「私ね、淡ちゃんみたいに、今までの自分を変えていけるのか不安になるの」
「咲・・・」
「クラス対抗戦のときはみんなのために勝たないとって思えたけど、じゃあ自分が一人っきりで打つときはどうなのかなって」

普段の練習だって、チームを組むわけじゃない
次の部活対抗戦はまだまだ先だし、冬には個人戦もあるけどそれも自分一人っきり

だから・・・

「咲・・・。咲は一人なんかじゃない」
「憧ちゃん・・・」

憧ちゃんの表情は真剣そのもので
だから、目をそらすなんてできなくて・・・

「一人じゃ打てないってなら、私のために打ってよ!」

えっ、それって・・・
憧ちゃんも言ってから、顔を真っ赤にしていた

「その・・・。私が咲のこと支えるから、傍にいるから・・・。だから、一人だなんて悲しいこと言わないでよ」
「憧ちゃん・・・」
「それじゃあ、ダメ?」

その微笑みは、今まで私の心の中にくすぶっていた不安を全部吹き飛ばしてくれて
きっと、憧ちゃんがいてくれたら私は思うように打てるんじゃないかって、そう思えて

「私も、憧ちゃんが隣にいてくれたら嬉しいよ」

私も、上手く笑顔で返せているのかな?

泣き顔なんて、見せたくないから・・・
ちゃんと笑顔でいられるかな?

「咲、ハンカチ・・・」
「・・・憧ちゃんこそ」

鏡に写したみたいに、きっと私と憧ちゃんは同じ表情をして、同じ感情でいて・・・・


だから・・・

これからよろしくね、憧ちゃん!


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