過去ログ - 【咲】京太郎「夏休みだ……」【安価】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲】京太郎「夏休みだ……」【安価】

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971: ◆wQz2C0W.uk[saga]
2012/08/12(日) 21:19:17.01 ID:dlMNaPnw0
　豊音「―――京太郎君！」

　気付けば、身体の違和感は消えて、彼の胸に顔を埋めていた。

　いままで通りの大きな体。周囲から目立つ容姿。女性らしくない身長。

　それでも―――彼が受け入れてくれた体だ。

　豊音「京太郎君―――私、やり直せるかな？　最後の最後で、失敗しちゃって、みんな怒ってないかな？」

　京太郎「―――これ、お届け物です」

　ぱさ、と頭に何かを置かれる。どうやら影に隠しておいたらしい。これは―――帽子？

　“外は日差しが強いから、帽子を買ってあげないとね―――”

　豊音「あ―――」

　……思い出した。

　トシ先生に買ってもらった帽子。

　初めてみんなと出会った日も。

　県大会を勝ち上がって、トシ先生を胴上げした時も。

　みんなで全力を尽くして、それで負けたあの日も―――ずっと、被っていた。

　京太郎「何も壊れてなんかいません。やり直しなんてできないし―――そんな必要もない」

　京太郎「明日は続く。思い出は残る。だから、自分の為に―――みんなで笑えばいい」

　そう―――宮守は、簡単に壊れるほどヤワじゃないからと、彼は笑った。

　……おかしな話だ。本来新参者の彼に、私は教えられているのだから。

　だけど―――それでいい。

　なら、再開した時は彼の為になるようにすればいい。

　だから、今は、今だけは―――

　豊音「私を救った責任―――取ってくれますか？」

　京太郎「地の果てからでも駆けつけますよ―――豊音さんが望むなら」

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