過去ログ - 春香「リボンを結んで」〜オーソドックスガールズストーリー〜
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109:1 ◆6VUvxtY276[saga]
2012/08/02(木) 16:39:39.44 ID:5P+gS2El0


***


 ステージ上では千早と真がスタンバイする。……と思いきや、千早だけがステージ中央に立ち、真は舞台袖に
引っ込んだ。観客席からは戸惑いの声が起こる。

「真がいなくなっちゃいましたけど、あの子達は何をするつもりなんですか?」

「わからん」

「え?」

 俺の返事を聞いて律子は驚いた。無理もない、俺があいつらに伝えた作戦はゼロだ。

「あいつらにはこう言ってある。『限界まで自分の能力を発揮して、ビジュアルアピールも補え』それだけだ。
 元々ビジュアルはパフォーマンスで魅せることだ。だったら歌とダンスで魅せる事も不可能ではない。よって
 シンプルに千早はボーカリストとして、真はダンサーとしてパフォーマンスをする」

「それってもうユニットではないじゃないですか。大丈夫なんですか?」

 律子が不安気な顔する。伊織達も心配そうだ。

「安心しろ。あいつらは春香のリボンで結ばれている。春香の存在を忘れない限り、あいつらはどれだけ無茶を
 してもユニットだ」

 やがてBGMが流れ始める。すると舞台袖から飛び出した真がステージ中央の千早に向かってロンダートを
行い、そのままバク転につなげて、最後はひざを抱えてバク宙をしながら千早の頭上ギリギリを飛び越えた。
失敗すればあわや大けがの危険すぎるパフォーマンスに観客席から悲鳴が起こる。しかし千早は頭を下げる
どころかまばたきひとつしなかった。限界まで力を出せとは言ったが、あのバカなんて無茶しやがる!!

「真もだけど千早も相当腹くくってるわね……。あいつら無事にステージ完走できるかしら……」

 冷や汗をかく伊織の前で、千早と真は平然と並んで踊る。しかし2人の距離が近すぎる。ギリギリのところで
かわしているようで、いつ接触してフォーメーションが乱れてもおかしくない状況だ。2人が今回の対決に
選んだ曲は『inferno』。相手を敗北という地獄に叩き落とす為に、千早と真も地獄の釜の縁で踊る―――――




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