過去ログ - 春香「リボンを結んで」〜オーソドックスガールズストーリー〜
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113:1 ◆6VUvxtY276[saga]
2012/08/02(木) 16:43:28.65 ID:5P+gS2El0


 ♪全て 燃えて灰になれ それがこの世の自由か♪

 ♪貴方が微笑むなら 愛じゃなくても 愛してる♪


「春香にも見せてやりたかったなあ……」

 こうして千早と真のステージは終了した。会場は地鳴りがするくらいの凄まじい喝采に包まれている。

「何言ってるのよ。これからいくらでも見せてあげることが出来るでしょ?」

 俺の横で伊織が言った。ふと伊織を見ると若干目が赤い。さっきから静かだとは思っていたが、もしかして
泣いていたのか?

「う……、うるっさいわね!!ちょっと感動しだけよ!!別に竜宮小町が負けたとか思ってないんだからね!!」

 そう言って俺の足をげしげしと蹴って来る伊織。わかったわかった、お前らもまた明日から頑張れよ。

「それにアンタには見えなかったの?あいつらずっと春香と一緒にパフォーマンスをしていたわよ。
 私あのふたりの間に、春香の影が何度かぼんやり浮かぶのが見えたもん。だからきっと春香がいても同じ
 レベルのパフォーマンスをしてたと思うわよ」

 だからどうしてお前はさっきから春香を死なせたがるんだよ。だが伊織の言いたいことも分かる。春香は
オーソドックスで、千早と真のルーツのような存在だ。あいつらが春香の事を思ってパフォーマンスをして、
アイドルとして完成度が高まれば高まるほど、春香の存在は浮かび上がってくるのだろう。お前ら本当に
春香の事が大好きなんだな。

「さて、フェアリーズはどう出るかな……?」

 いくらSランクアイドルとはいえ、千早と真のあの地獄のパフォーマンスにはそう簡単に勝てないだろう。
きっと今頃大慌てで対策を考えているはずだ。響も美希も、まさかあの2人がここまでやるとは夢にも
思わなかっただろうな。TOP×TOPの連勝記録は2でストップか。

「今のchmに敵うアイドルはいないでしょう。目標達成まであともう少しですね!!」

 律子が明るい声で言う。俺達はすっかり勝ったつもりでいた。アイドル革命は春香によってもたらされ、
明日からアイドル業界は変わると信じて疑わなかった。


―――――だから俺達は忘れていた。フェアリーズで本当に恐ろしいのは誰なのか。そして銀色の妖精が、
最初からずっと姿を見せていない事にもこの時は気付かなかった―――――




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